フェンダー ローズ ステージモデル 修理 2025.11.26
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ピアノ職人・VIRA JAPAN
(有)ラッキーパイン

2025.11.26都内にお住まいのお客様がFender Rhodes Stage Modelをお持ち込み下さいました。当初の症状はハンマーチップが一つ無くなっているので、取り付けて欲しいとのご依頼でした。

年の為、一通り全体の状態を拝見する事にしました。先ず、欠損しているハンマーチップ以外のチップも、使用頻度が高い所は溝が出来ていました。

棚板もホコリがそのままの状態で、虫食い等の被害が出る可能性が有ります。

RCA端子も接触不良が有ったのでしょうか、配線がむき出しになっています。

プリアンプパネルの下の板も、ビスが欠損して剥がれていました。

プリアンプパネルを本体に取り付けるビスも2本欠損していました。

ハープビスは4本すべてが欠損していました。運搬時に本体を立てたり、寝かせたりした時にハープが外れて二次災害を起こす危険性があるので、このビスはしっかりと止めておかなければならないのですが、何故無くなったのかは分かりません。

KEYBEDの位置も、本来の位置からずれているようです。拍子木の手前にスペーサーとしてクッションフェルトがかんでありました。

鍵盤は案の定、中音部がかなり下がっています。

黒鍵も同じように下がっていました。

外回りをチェックすると、脚のステーが裏返しに取り付けられていました。以前一度外して、再度取り付ける時に裏返しにつけてしまったようです。運搬時に引っかかって、本体の破損に繋がりますので、注意しなければなりません。

2025.12.15本日より、本格的な作業を開始いたしました。先ずは、プリアンプパネルの台木のビスが欠損してプリアンプパネルがちゃんと固定されていなかったので、10㎜長のパンヘッドビスで取り付けしました。台木がやや反っていたので、左右の拍子木に取り付ける為のビス穴に合う様に、台木を取り付けました。

鍵盤を取り外して見ると、中は結構な汚れ具合でした。ティッシュペーパーの様なものが有るのは、ネズミか小動物が中に入って、巣を作ろうとしていたのかも知れません。全て掃除機で吸い取り、綺麗にしておきました。

アクションパーツを外して、中をチェックしましたが、こちらはそこそこ綺麗でした。

ただ、ダンパーロッドのクッションフェルトが虫食いの為、ボロボロになっていました。こちらは張り替えておきます。

また、ケース手前側にスペーサーらしきものが有りました。これは何らかの対策の為に置かれていたものだと思います。

目的は分かりませんが、こうやって改造パーツをセットしてあったという事は、何らかの原因が有るので、位置を定めてそのまま貼り付けておくことにしました。

次に、裏返しに取り付けられていた、脚ステーをオリジナルの状態に戻します。

ステーの位置も実際に脚を取り付けて、間違いのないように取り付けました。

2025.12.18調整作業を行う為にハープを本体に戻しました。

ハープには以前メンテンナンスを行った時に張り付けたと思われる、カラーテープが貼ってありました。

欠損していたハンマーチップも棚板の奥に落ちていましたので、それを接着して取り付けました。

鍵盤整調を行う為に、鍵盤をクリーニングして行きました。

全ての鍵盤が汚れていましたが、特に中音部から低音部にかけての鍵盤の汚れ方はひどかったです。多分コーヒーでもこぼしたのではないかと思われる様な、汚れ方でした。

全て汚れを取り、綺麗にしました。鍵盤ブッシングには被害が及んでいなかったので、一安心です。

鍵盤のならし調整を行う為に、鍵盤定規をあててみた所、中音部の下がり方が尋常ではない下がり方をしていました。

ここまで下がっている個体は初めてです。作業をどのように進めて行くか、思案のしどころです。

2025.12.19今日は一日かけて、鍵盤整調を行いました。中音部が大きく下がっていたので、アコースティックピアノの調整の時に使う手法で、おさ(キーベッド)の下に名刺を挟み込んでおさの中央部分を持ち上げる手法を使いました。

この方法であれば、紙パンチングを山の様に積み重ねなくても、ある程度高さを稼げます。

全ての鍵盤のならしを終えた所で、再度鍵盤を全て外します。この後は、バランスピン、フロントピンの磨き込みと、布パンチングを上面に持ってくる作業を行います。

通常通りパンチングを一度外して、ピンを磨き込んだ後に布パンチングが上面に来るようにセットします。以前にも書いた事が有りますが、布パンチングが上に無いと、鍵盤を外した時に紙パンチングが鍵盤の裏にくっついて取れてしまう事が有ります。それを防ぐ為に布パンチングを上面にもって来ます。

フロントピンの磨き込みもパンチングを外して行います。その理由はピンの根元にサビが発生している事が多いからです。

面倒ですが一つ一つのピンをチェックしながら、サビが発生している場合はサビ落としをしてからパンチングをもとに戻します。

これで全てのピンの磨き込みとパンチングの取り付けが完了しました。

その後鍵盤をセットして、次の作業の準備をしておきます。

2025.12.21今日は日曜日ですが、修理が溜まってしまっていますので工房で作業を行いました。先ずはハープ調整を行いました。こちらの個体はかなりハープがいじられていて、ハープの位置が全く揃っていませんでした。その為、全てのトーンジェネレーターの高さ合わせから始めました。

その後、アタックポイントの均一化調整とボイシング調整を行いました。これでかなり弾き易くなったのではないかと思います。

全てのトーンジェネレーターの位置を調整しました。

次にRCA端子が裸になっていたので、他のパーツに交換しました。

RCA端子の出力側に接触不良が有りましたので、端子裏側にスペーサーを入れて対策しました。

次にペダルの動作確認を行った所、ペダルのクッションが剥がれて無くなっていた為、ペダルを離す時にカチッ、とノイズが発生しました。

その対策として、ペダルの受け側にクッションフェルトを接着しておきました。

その後ダンパーの動作確認を行った所、ダンパーのかかりに遊びが有り、その為にノイズが発生していたので再度ダンパー周りの調整を行いました。

ダンパーパネルを外して、ダンパーロッドのクッションフェルトを5㎜の厚さの物に交換しました。これでダンパーの遊びは解消されました。

ダンパーのかかり具合をチェックしていた所、今度は低音部のダンパーのかかりが深く、ペダルをしっかり踏まないとかかりませんでしたので、低音部のダンパーの位置調整を行いました。当初低音部のトーンジェネレーターがかなり不揃いになっていたのは、この為かも知れません。

高音部のハンマーが隣のハンマーと干渉しそうになっていました。

こちらは将来的にハンマーが干渉して不具合を起こす可能性が有りましたので、調整しておきました。

2025.12.22今日、最終調整と音出し、動作確認を行って、ご依頼頂いたメンテナンスが完了致しました。

お客様より、調律のご依頼も承りましたので、A=442で揃えておきました。