1970年代から1980年代にかけて世界のミュージシャンが愛用したキーボードと言えばまずトップにあげられるのがローズピアノでしょう。
海外はもとより国内の多くのミュージシャンが楽曲の中にローズピアノを使っています。
今でもその存在感は当時のままと言えます。
しかし多くのローズピアノは製造からすでに50年以上が経過しており、さすがに現状のまま使用できるモデルは殆どありません。
そのため使えるようにするためには何らかのメンテナンスが必要になります。
なんの知識もないまま、ネットの情報だけを鵜呑みにしてしまうと、買ったはいいが結局修理に沢山の費用がかかったり、本来の性能ではないものを手にして後で後悔する事にもなります。
だからローズピアノに興味がある、これからローズピアノを購入したいと考えている方に、実際に修理メンテナンスにたずさわっている技術者が技術者目線でおさえておくべき「失敗しない中古ローズピアノ購入のポイント」をお伝えします。
このページを最後まで読めば、ローズピアノの購入からメンテナンスまでの必要な知識を身に付けて、失敗しない楽器えらびが出来るようになります。
また中古ローズピアノに関して、今すぐ相談したい人は、無料でお受けしてい ますので気軽にご連絡ください。
相談したい方は、
℡ 0120-045-845
または bzq21747@gmail.comにメールで問い合わせてください。
ピアノ職人・VIRA JAPAN
(有)ラッキーパイン
それでは、後悔しない購入方法をひとつひとつご紹介していきます。
ぜひこのページを有効活用してあなたの1台にめぐり会って下さい。
買う前に知っておこう! 中古ローズピアノの特徴
ローズピアノには幅広い種類とそれぞれの特徴と違いがあります。
これらの特徴と違いを知る事は、購入時に失敗しない一つの手段となります。
もしこれらを知らずに購入すると、後でメンテナンス方法が分からなかったり、思いがけない修理のために予想以上に高額なお金を使うことになったりと、困った事態になるかも知れません。
購入前に知っておくことで解決できる事もありますので、今から紹介する特徴と違いをぜひ把握してから購入の検討することをおススメします。
ローズピアノのモデルと特徴
ローズピアノには幾つものモデルとバリエーションがありますが、ここでは代表的なモデル5機種にしぼってご紹介していきます。
なぜなら通常使用されるモデルはこの5機種、4バージョンが殆どだからです。
あなたが欲しいと思っているローズピアノもきっとこの中にあるはずです。
中古のローズピアノを購入するために、必要な情報を集約してお伝えする事で、無駄な時間を省いて中味の濃い有益な知識を身につけられます。
その結果自分の目でその楽器の良し悪しを判断出来るようになります。
ローズピアノの5モデル、4バージョン
先ずはローズピアノの代表モデル5機種をご紹介します。
それぞれ製造年ごとのモデルとその特徴です。
1.ローズピアノの人気モデル Fender Rhodes 1965年~1975年
このFender Rhodesのロゴのついたモデルで、現在でも高い人気を維持しています。
もともとローズピアノはFender社で製造販売されていたので、オリジナルのローズピアノのイメージがあるからだと思われます。
Fenderと言えば、エレキギターやギターアンプでも一世を風靡したメーカーですから、当時音楽に親しんだ人にとっては憧れのブランドだったでしょう。
しかし当時は1ドル360円の時代で輸入品は大変高価でしたから、誰でも買える品物ではありませんでした。
このFenderロゴの入ったローズピアノは、当時のイメージと憧れによってマニアの間では人気となっており、プレミアが付く程価格も高くなっています。
後でも出て来ますがFenderロゴは高く売れると言うことで、良くない事をもくろむ人もいますので注意が必要です。
2.ローズピアノの代表モデル Mark1 1975年~1979年
かまぼこ型のトップカバーが印象的なRhodes Pianoの代表モデルがMark1です。
ローズピアノのモデルの中で販売台数が一番多いのが、このMark1ですから、現在でも良く目にするはずです。
Fender Rhodesに比べて価格もリーズナブルなものが多く流通していますから、買い得品を探すのであればMark1はおススメです。
ちなみにMark1からMark2で鍵盤の形状もバランスも変わって来ます。これはタッチ感に影響しますので、1台1台ご自身で試弾して確かめる事をお勧めします。
3.ローズピアノの洗練モデル Mark2 1979年~1983年
外観がブラックに統一され斬新なデザインとなり、トップカバーも上にシンセサイザー等のキーボードが置けるように平らになったのがMarkⅡです。
ただ新しいMarkⅡスーツケースピアノは1979年当初は以前のMark1バージョンと同一のもので中味は一緒でした。
中味は、Mark2なのにパネルはFender Rhodesだったりと改造されたモデルも多くありますので、ちょっと変だと感じたら一度問い合わせて下さい。
またMarkⅡの一部モデルにはプラスチック鍵盤を使用したモデルもありますが、タッチ感に不満を持つ方もいますので、注意した方が良いでしょう。
4.ローズピアノの短命モデル Mark5 1984年~
2年間で推定3,000台前後の製造で、オールFRP製のボディはこれまでで最軽量なのがこのMarkⅤです。
スタンドも専用スタンドになりMarkⅡで一部使用されたプラスチック鍵盤も木製鍵盤へ復帰しました。
販売当時は既にデジタル楽器に移行しており、残念ながら時代の流れに乗り切れず製造台数も少なく短命で終わったため滅多にお目にかかることが出来ないモデルです。
どうしてもMarkⅤでなければならないと言う理由は、特別なマニアでなければ有りませんので、めぐり会えたらラッキー位の感じで見ていれば良いのではないでしょうか。
5.ローズピアノの最終モデル Mark7 2007年~日本販売は2009年9月
2007年にローズピアノの代名詞となるトーンジェネレーター(アナログ音源)を使用した新モデルとして登場しました。
デザインもカラーリングもそれまでのローズピアノとは異次元のモデルです。
しかし世の中の主流はすでにデジタルに移行しており、アナログの新モデルは話題にはなりましたが販売台数は伸び悩みました。
機能面ばかりでなく一番低価格のモデルでも58万円、最高グレードでは99万円という高価格も販売の壁となりました。
現在中古市場では割と出回っていますが、Mark1やMarkⅡに比べてトラブルの多いのが気になります。
Mark7を購入する場合は新しくても必ずメンテナンスが必要と考えて購入してください。
ローズピアノの4バージョン
実際はもっと多くのバージョンがありますが、中古のローズピアノを購入しようと考えている人にとっては、この4バージョンをおさえておくことが必要です。
中古ローズピアノを購入する際にモデルとバージョンを知っておくことで、それぞれの機能やパフォーマンスの違いが分かり、自分が求めていたモデルがどれなのかを知る事が出来ます。
まず、これまで紹介してきたローズピアノにはアンプ付きのスーツケースモデルとアンプ無しのパッシブ型ステージモデルの2つのバージョンがあります。
Fender RhodesからMarkⅡまではステージピアノとスーツケースピアノの両方の種類が有りますが、Mark5とMark7はアンプ無しのパッシブ型となります。
これに鍵盤数が73Key又は88Keyの違いが加わります。
時たま鍵盤数の少ない54Keyモデルが出回る事が有りますが、市場に多く出ているのは殆ど73Keyか88Keyの2機種です。
一般的にアコースティックピアノ(生ピアノ)は88Keyが標準で、それに習ってローズピアノも88Keyが製造されていますが、中心機種は73Keyモデルです。
88Keyにこだわるのはクラシックの演奏者が多いのですが、それはクラシックの曲には88Key無ければ弾けない曲があるからです。
しかしポピュラーやジャズの楽曲であれば73Keyで充分間に合いますし、ローズピアノの場合は73Keyの方が、人気があります。
さすがに54Keyモデルの場合は鍵盤が足りないと感じる事があるかも知れませんので、注意された方が良いでしょう。
次にスーツケースモデルとステージモデルの違いですが、これは同じローズピアノでも全く性格が違います。
これは専用アンプ付きなのかそうでないのかの違いにとどまらない大きな違いになります。
通常ローズピアノの音をレコーディングする時はアンプ付きのスーツケースモデルを使用する事が多いです。
その為、普段耳にするローズピアノの音はステージモデルではなくスーツケースモデルの音が多くなります。
ですから、中古ローズピアノの購入時に手頃な価格だからとステージピアノを買うと、自分が思っていたローズの音色とは違うと言うことになります。
実際にステージピアノに満足できずスーツケースモデルに買い換えた方がいますので、何を基準にして購入するかをはっきりした方が間違いないでしょう。
失敗しない中古ローズピアノの選び方
現在購入できるローズピアノは中古品のみとなります。
加えて初期モデルは既に製造から50年以上が経過しています。
ローズピアノはそれぞれのモデルに良さもあると同時に弱点も有りますので、
それぞれの特徴と違いをしっかり分かった上でモデルを選びましょう。
どのモデルを選ぶかは自分の感性に任せて行くことになりますが、選択基準はその楽器をどう使うかによります。
演奏活動やライブで使うのであれば持ち運びしやすいステージモデルがおススメです。
価格もMARKⅠ・MARKⅡならばステージピアノの方が安くてねらい目です。
ローズピアノらしい音を求めるのであればやはりSuits caseモデルでしょう。
何故ならローズピアノ独特のトレモロはスーツケースでなければ出せないからです。
趣味や自宅で、たまに気の向いた時に弾きたいのであればMark7もオススメです。
ビンテージ楽器のマニアとしてはやはりFender Rhodesでしょう。
つまるところ、ローズピアノは全てのモデルにそれぞれの魅力があるのです。
ビンテージ楽器としてのローズピアノはどのモデルにもそのモデルとしての価値が存在します。
大切なのは所有したあなたが、その楽器を大事にして、後世に残して行けるようにメンテナンスや修理をしながら使って行ってあげることだと考えます。
そのために修理技術者が購入に際してのポイントをお伝えします。
購入時の注意点.
中古ローズピアノ購入時に押さえるべきポイント
中古ローズピアノを購入したいと考えている方はこれからお伝えするポイントをおさえて下さい。
そのポイントとは
- どこで買うべきか?購入先のメリット、デメリット
- 購入後の維持費(メンテナンス費用)はどの位かかるの?
これらをひとつずつ解説していきます。
そうすれば後で後悔する事はないでしょう。
1.どこで買うべきか?購入先のメリット、デメリット
いよいよローズピアノの購入となったとき、どこで買うのが良いでしょうか?
ここでも押さえるべきポイントが3つ有ります。
中古ローズピアノを手に入れるための代表的な3つの購入方法とそれぞれのメリット、デメリットをお伝えします。
- 専門楽器店
- ネットオークション
- 知人からの譲り受け
ポイントを押さえて後で後悔のない、間違いのない、買い方を選びましょう。
1.専門楽器店
ローズピアノに限らずビンテージ楽器は中古品しかないので売られている場所が限られていて、一般楽器店には置いていません。
購入する場合はビンテージ専門の楽器店に行って買うか又はネットで探すことになります。
一番安心で確かなのが専門店での購入でしょう。
それは否定しません。
何故なら店舗を構えて営業しているのですから、万が一不良品だった場合はいつでもクレームを付けて対応してもらえます。
また、商品に関しての信頼性も高くしっかりとメンテナンスされています。
初心者でビンテージ楽器に詳しくない方が購入するにはやはり専門楽器店が良いでしょう。
しかし、専門楽器店の中古ローズピアノの価格はどうしても高くなります。
その理由は店舗を構えて、専門スタッフを雇い、常時在庫を置かなければならないからです。
加えて日本人は綺麗な商品を好みますので、中味はメンテナンスされていても外装はボロボロと言った製品は敬遠されるため、外見にもお金がかかります。
またビンテージ楽器は中古品だけで新品ではありませんので1台1台状態が違い、それを商品化する為の修理メンテナンスにかなりの手間暇がかかります。
こういった全てのコストが商品に乗っかって来ることを知っておく必要があるでしょう。
楽器店がぼったくっている訳ではないのですが必然的に価格は高くなってしまいます。
2.ネットオークション
ビンテージ楽器は新品ではないので、同じ商品を同じ価格で売っていません。
ですから価格はあってないようなものです。
販売の媒体によって価格も状態も内容もまちまちです。
例えば同じローズピアノ Mark1スーツケースの場合、専門楽器店では40万円前後の価格設定の物がヤフオクあたりだと10万円前後の出物をゲットできることもあります。
なんと!価格差4倍となります。
言い方を変えれば’75%OFFです。
これが同じ内容、状態の商品であれば専門楽器店で買うのは馬鹿らしいですよね。
勿論、同じな訳が有りません。
つまり、専門楽器店で販売するビンテージ楽器はれっきとした商品ですが、ネットオークション等で販売される物は商品ではありません。
購入する側の目利きで値段を付けて下さいというものです。
ですから中には当たりくじを引いた様に専門楽器店で販売されている物に近いレベルの楽器が手に入る事も有ります。
これはネットオークションの魅力ですが、あくまで宝くじで当たりくじを引いた位の確率なのですが、めったにありません。
おおかたの物はどんな状態かと言えば、ここ数年使わないで放置されたままの物が大半でしょう。
使ってなかった物ですから状態もはっきりとは分かりません。
取り合えず音は出ますというレベルです。
こういった物を楽器店で販売しているレベル近くまでにするにはそれ相当の修理費用がかかることを覚悟しなければいけません。
ザックリとした内容ですがこれまでの実例で修理費用としては5万円~30万円となります。
どの位の金額がかかるかは楽器の状態とご依頼人のご希望によります。
安いものは安い理由があることを忘れてはなりません。
それでも安く購入したものをちゃんとメンテナンスできれば割安になる可能性はあります。
3. 知人からの譲り受け
知人が持っていたローズピアノ、使う事がないので譲り受けてオーナーになったというパターンも良くあります。
この時に大事な事は知人との距離です。
良く知っている知人であればその人がどんな風に使っていたか、またその人の人柄から推測して楽器がどの様な状態で使われ保管されていたかも分かると思います。
信頼関係のある間柄なら楽器の状態や不具合の有無、これまでのメンテナンス状況も教えてもらえるでしょうから特に注意する事はないでしょう。
問題なのは知人の紹介や知人の知人みたいな縁の遠い知り合いのような人からの譲り受けです。
この場合何故その楽器が自分の所に来るようになったのかの背景を考える必要が有ります。
その楽器の使用頻度や状態まで分かっている方なのか?
その方は何故その楽器を手放すことになったのか?
つまり決して悪意が無くても楽器の状態を把握しないまま持っていた楽器だったりする事も有ります。
そんな楽器を譲り受ける場合は事前の話し合いや楽器の状態をしっかり把握する事が大事です。
2.購入後の維持費(メンテナンス費用)はどの位かかるの?
ローズピアノはとても素敵な楽器ですが、その素敵な状態を維持するためには必ずメンテナンスが必要となります。
その費用は、購入時の状態によっても違ってきますが、音程、タッチ、音色について違和感を感じる又は不具合がある場合は修理が必要となります。
この場合修理内容に応じて費用が変わって来ますので下見の上見積もりをされることをオススメします。
また、定期的なメンテナンスにつきましては調律、鍵盤調整、ハープ調整等の各部の調整作業がありますので作業内容や価格については個別にお問い合わせ頂ければ内容をお伺いしてお答え致します。
中古ローズピアノのご相談、無料お受けします。
これまでお伝えしてきましたように、ローズピアノをどうやって手に入れるか、またどのモデルを選ぶかは自分の感性に任せて行くことになりますが、選択基準はその楽器をどう使うかによるでしょう。
大切なのは所有したあなたが、その楽器を大事にして、後世に残して行けるようにメンテナンスや修理をしながら使って行ってあげることだと考えます。
その為のお手伝いでしたら私たちは一生懸命応援致します。
当社は専門販売店ではなく修理技術者が集まる会社ですので、残念ながら常時在庫は有りません。
しかし質のいいローズピアノを欲しい方は問い合わせ頂ければその時の在庫をお知らせします。
また、ビンテージ楽器の修理、メンテナンスはどこにも負けない自負が有りますので、お気軽にお問い合わせ下さい。
素敵な楽器を後世に残す為に、オーナーと技術者が力を合わせて取り組んで行くことが出来たらどんなに素晴らしい事かと考えています。
最後にこのコンテンツを作成した VIRA JAPAN の理念をご紹介します。
VIRA JAPANはVintage Instruments Restoration Activity Japanの略称です。
VIRA JAPANの紹介ブログはこちらをクリックして下さい。
専門分野の技術者との情報交流、ネットワーク作り及びビンテージ楽器の修理・メンテナンスとアナログ楽器を後世に残す事を目標に活動しております。
そのためにはしっかリとした修理メンテナンス技術者と共に、ビンテージ楽器を愛するお客様が必要となります。
是非今後の活動の為にもこうしたアナログ楽器をお持ちのお客様はメンテナンスを施して、少しでも良い状態で楽器を後世に残して頂けるよう願うものです。
ビンテージ楽器についてのお問い合わせ
℡ 0120-045-845
または bzq21747@gmail.comにメールで問い合わせてください。
ピアノ職人・VIRA JAPAN
(有)ラッキーパイン