カワイ K35 セルロイド鍵盤の漂白 2022.08.01
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ピアノ職人・VIRA JAPAN
(有)ラッキーパイン
カワイピアノ K35 のセルロイド鍵盤の張替え依頼を受けました。
このピアノは今から60年程前に作られたもので
白鍵はセルロイドです。
セルロイドは発火性が高く、現在では使用禁止となっていますが
当時は象牙鍵盤の代わりとして多用されていました。
白鍵の張替えをする場合は、
アクリル製のコンビネーション鍵盤を使う事になりますが
とても白く綺麗な反面、白すぎて味気が無いと
受け止められる事もあります。
そんなこともあり、試しにセルロイド鍵盤の一つを
漂白(という表現があっているかどうかは不明)してみました。
作業は鍵盤キートップと小口のペーパー研磨
その後研磨剤での研磨の後、バフ研磨で仕上げました。
すると、セルロイドの優しい白色のキートップが現れました。
そこでご依頼主に鍵盤張替えではなく
セルロイド鍵盤をそのまま生かす方法での
作業をお勧めしました。
その結果、セルロイド鍵盤の漂白でのご依頼となりました。
鍵盤張替えの場合は、アイロンを使って今のキートップを剥がし
小口も熱を加えて剥がして新しい鍵盤を貼り付けます。
その後、鍵盤のバリ取りをしてバフ研磨で仕上げます。
しかしセルロイド鍵盤の調整は、1鍵1鍵ペーパーをあてて
黄ばみを落としていきます。
この黄ばみを落とす作業は、ペーパーの当て方によって
仕上がりに大きく影響しますので
かなり神経を使います。
黄ばみをきれいに落とさないときれいに仕上がりません。
逆に黄ばみ落としをやりすぎると
鍵盤自体を痛めてしまいます。
その加減がなかなか難しく、
経験と勘がモノをいう昭和の時代の作業となります。
下処理した鍵盤をバフ研磨して仕上げます。
この白鍵のバフ研磨も、セルロイド鍵盤の場合は注意しないと
直ぐに焼けてしまい、取り返しのつかない事になります。
慎重に作業を進めます。
無事に全白鍵の漂白作業が完了しました。
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