Rhodes Piano MarkⅠSuitcase 88Key Maintenance2024.12.28

ローズピアノ マークⅠ スーツケース 88鍵 修理 2024.12.28

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ピアノ職人・VIRA JAPAN 
(有)ラッキーパイン

2024.12.22楽器店様の依頼で、Rhodes Suitcase 88Keyの修理品を引き取って来ました。内容的にはプリアンプからのガリ、音色調整の他、戻らない鍵盤が一つありました。

71Gの鍵盤が戻って来ません。

鍵盤が隣の黒鍵に干渉しているようです。

ただ、隣の黒鍵のハンマーも左に寄っているようです。

取りあえず、ハープを外して、ダンパーも外して、ハンマーの状態を確認する事にしました。

ハンマーと鍵盤の両方を確認する為に、ハンマーアッセンブリーを1ブロック外してみました。

確かに隣の72G#のハンマーの走りが、低音側に寄っています。

加えて、71Gの鍵盤の先端のブロック部分が、高音側に反っています。結局71Gの鍵盤ブロックが72G#のハンマーに干渉して、鍵盤が戻って来ないようです。ハンマーの走りを変えるのは難しいので、今回は鍵盤の反り補正をする事にします。

2024.12.31他の仕事も入っていたので、こちらのRhodesの修理も行いました。今回は内部のクリーニングもご依頼頂いたので、アクションユニットを取り外しました。

ただ、アクションを止めるボルトが曲がっており、外すのに一苦労しました。また、他のビスもかなり曲がっていましたので、補正又は交換します。

今回何故内部のクリーニングもご依頼頂いたかと言うと、隙間から色々な物が見えたのですが、その中に金属製の針の様な物が見えたからです。他にもサインペンやコイン、ピック等、多くの異物が有り、このままだと将来何らかの悪さをすると思ったので、クリーニングをさせて頂きました。

おかげで内部はとても綺麗になりました。

そこで、ついでなのでトーレックスの破れ補修もしておきました。当初は大きな破れを接着するつもりでしたが、やり出したら殆ど破れを補修しました。

2025.01.05今年は昨年からの仕事がたまって、正月返上しての作業となりました。今回接触不良で音が出なかったので、VOLUMEとINSENSITY他スライドボリュウムまでCaigを塗布して接点復活しました。

また、ビブラートスイッチにも接触不良が有ったので、修理しておきました。

接点復活剤のCaigはスプレーだけだと希薄なので、刷毛で原液を塗布した後にスプレーでなじませます。

またアクセサリーの接点もサビが出たり、曲がったりして音が出なくなることがあるので、こちらも調整しておきます。

この状態で音出ししたら、ちゃんと出ました。

しかし、ビブラートをONにしたら、片チャンネル音が出ていません。少々厄介な事になって来ました。先ずは、プリアンプからアンプまでの配線を調べて行きます。

各部の配線とコネクターに接触不良が無いか調べて行くと、5ピンケーブルコネクターに緩みがあって、雑音が出ています。

念のため5ピンケーブルを純正のケーブルに変えてみると、なんとちゃんと音が出るじゃないですか。

ちょっと厄介だと思っていましたが、ケーブルの不良が原因でした。これで前に進めます。

2025.01.07今日は一日メンテナンス作業を行いました。特にコネクター部の接触不良が出ない様に、グラスファイバーヤスリで研磨しておきました。

バランスパンチングは紙パンチングが上になっています。

これを全て布パンチングを上に変えておきました。

また、折角なのでバランスピン研磨、フロントピン研磨をしておきました。これで鍵盤の動きが変わります。

鍵盤をセットして、ハープ調整とボイシング調整をしようとしたら、ダンパーがきかない所が幾つかあり、確認してみるとダンパーフェルトが接着剥がれを起こしていました。こちらは全て接着しておきました。

その後、ボイシング調整を行いましたが、トーンジェネレーターの取り付け位置がかなりバラバラになっており、このままで演奏するのは難しい位でしたので、全てベーシックな状態に戻しました。

その後エイジングをかけて様子を見まました。特に問題も無く、無事にメンテナンス作業は終えられました。

カバーのドローボルトが片方破損していましたので、こちらも部品交換して、全ての作業が完了しました。

終わり

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