Rhodes Piano Mark ⅡQRS MIDI kit installation 2024.04.10

ローズピアノマークⅡ QRS社製MIDIキット取り付け 2024.04.10

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2024.04.10こちらのRhodes Piano Mark Ⅱ Stage Modelは2022.12.03に当社よりご購入下さりお納めしたモデルです。

今回QRS社製のMIDIキットの取り付けをご依頼頂きお預かりしました。MIDIキット取り付けについては、アップライトピアノのサイレントユニットの取り付けに近い作業と考えてお引き受けしました。その最初の作業が鍵盤のならしです。鍵盤ならしを行わないと、光学式のMIDIキットですので、正確に動作しないので、しっかりとならしの作業を行いました。

もちろん黒鍵も同様に揃えて行きます。

鍵盤ならしを終えて、一度鍵盤を取り外して、内部の取り付け場所を確認します。やはりアップライトピアノとは違って、基板の取り付けが難しそうです。

2024.06.05インストールマニュアルとにらめっこして取り付け時のポイントを読み取ろうと思いましたが、時間が過ぎて行くだけで、なかなかイメージが固まりません。やはり現物合わせで進めるしか無いようです。

そこで、キーベッドのそれぞれの採寸を行いました。

おさの中央部の板厚と両サイドの板厚を測ってみました。

加えて、おさの左右の隙間の寸法も測って見ました。

低音側から中央部までの寸法はセンター・センターで約48㎝

それに対して中音部から高音部のおさのセンター・センターは54㎝あります。

またスイッチ基盤をセットするアルミのベースは88鍵用なので、寸法を測ってカットしなければなりません。この辺はサイレントユニットでは無い作業です。

ちなみにヤマハのサイレントユニット付きのピアノが有ったので、中の確認をしてみました。

システムとしては古いモデルですが、頑丈なスチールフレームにセンサーがセットされています。取り付け用のベースは4カ所あり、低音側から中央左側の取り付けベースまでの距離はおよそ50㎝です。

中央左側から中央右側までの距離は37㎝

中央右側から高音部側までの距離は30㎝でした。

グランドピアノにQRS社製MIDIキットを取り付けている動画を見ても、おさの隙間は20㎝から30㎝です。Rhodes Pianoに取り付ける場合、おさ間の距離が50cm以上有ると、MIDIキットの強度がもつかどうか心配になって来ます。そのまま取り付けても良い物か、それとも間に木材でベースを作るか思案のしどころです。

2024.06.0614㎜厚の板を買ってきて、カットした状態で左右と中央のおさの板と合わせてみました。すると中央は殆ど同じ高さでした。

しかし、高音部側はやや低いようです。

低音部側もやはり、やや低いようです。どの位置を基準にするかは、この状態であれば中央の高さとなります。ただ、全体の高さを調整する時に、どのくらいの誤差が許されるのか分かりませんので、ここはアコースティックピアノのレベルで調整をして行く事にします。

2024.06.15いろいろと調べながら進めているので、先に進めません。取りあえずは木材をカットしてセンサーの土台となるパーツを切り出しました。果たしてこれが必要なのかどうか、逆に邪魔になってしまう可能性もあるのですが、本来のセンサーの安定を考えたら、やはりベースは重要な部分となります。

アルミのトラックを接続してセットして行くと、最後にかなり余りが発生します。これは元々のパーツが88KEYのアコースティックピアノ様に作成されている為です。従って、73KEYのローズピアノに取り付ける為には、アルミのトラックをカットしなければなりません。ただ、寸法を間違えると大変な事になりますので、慎重に現物合わせで寸法を決定して行きます。

鍵盤の真下に赤外線ビームを送受信するセンサータワーが来ないと、正常な動作をしないはずですので、アルミトラックを右の拍子木にピッタリ当たる位置にセットする事になります。この状態でセンサータワーが鍵盤の真下に来ているか確認しました。

高音部についてはセンサータワーが鍵盤の真下にセットされるので、問題は無さそうですが、中音部から低音部になると、センサータワーの位置が鍵盤に対して左側に寄った位置になります。鍵盤の幅は本来アコースティックピアノもRhodes Pianoも同じなのでしょうが、どうもセンサータワーの隙間が少し違っているのかも知れません。

最低音になると、かなり左側に寄った形になります。もしセンサータワーから発射される赤外線ビームが、鍵盤に正常に当たらなかったら、誤動作を起こすか機能しません。ここら辺は微妙な位置です。

念のため鍵盤をセットして、センサータワーとの位置関係を確認しました。

鍵盤を真上から見た時には、センサータワーは隠れて見えませんので、何とかギリギリに基板の位置は大丈夫そうです。万が一動作不具合が起こるようならば、基板の淵をヤスリで落とさなければならなくなります。

2024.06.16アルミトラックに基盤をセットした状態で、本体のキーベッドに取り付ける時の前後の位置出しを行いました。インストールマニュアルには、黒鍵の手前部分から奥側に3/16インチと記されていたので、換算表で確認して4.76mmの位置に鉛筆でマーキングしました。

この位置出しに対しての誤差許容範囲がどの位なのか分かりませんので、兎に角設定数値に極力近づけるようにマーキングします。

左右のそれぞれの黒鍵の位置出しをした後、その位置をキーベッドに記します。

マークした位置にキーセンサーユニットを仮置きしてみました。

キーセンサーユニットを真上から見た状態で、センサータワーと鍵盤の位置関係を確認します。高温側はやや右に寄っていますが、何とか鍵盤下にセンサータワーがセット出来る位置に来ています。

しかし、低音側はセンサータワーが鍵盤の左端に寄っており、この位置で正常な動作が出来るのかどうか分かりません。ここら辺は今後キーセンサーユニットを仮留めして動作確認をしながら、対応策を考えて行く必要が有ります。

キーセンサーユニットを本体にセットする為には、アルミトラックをカットしなければなりません。カットすると言う事は、万が一ミスが有ったら元に戻らないと言う事ですので、慎重に仕組みと動作をイメージしてから行いました。金鋸で切断した後、金ヤスリで成形して本体に取り付けた所、計算通りになっていてホッとしました。これからキーセンサーユニットの取り付けに入りますが、兎に角前後、左右、高さの三次元を念頭に置いた上で、キーセンサーユニットの取り付け角度も含めて作業を進めて行く必要が有ります。特に左右の位置は鍵盤の反応に対応するかどうか、大きなポイントになるので必然的に慎重になります。

2024.6.19インストールマニュアル通りに一度鍵盤を本体に戻して、キーセンサーユニットを鍵盤の上に置いてセンサータワーの左右の位置を確認しました。

高音部側を鍵盤の中央部に合わせてセットすると、アルミトラックが拍子木に干渉してしまいます。しかし低音部のセンサータワーを動作に問題が無い所まで寄せるには、アルミトラックを拍子木の中に入る様に加工しなくてはなりません。拍子木を加工する為にはハープ、アクションユニットを本体から取り外して作業をする必要が有ります。ギリギリこのまま取り付けられれば良いのですが、左右の位置がかなり微妙です。

アルミトラックを高音部側に合わせると、低音部側のセンサータワーが鍵盤下から外れた位置に来てしまい、これでは動作するかどうか分かりません。

やはりアルミトラック毎右に寄せて取り付ける為に、本体をバラシて拍子木の内側に穴を開ける加工が必要のようです。つまりセンサータワーが高音部は鍵盤の右側ギリギリにセットして、低音部側は鍵盤の左側ギリギリに来るようにセットするしか方法は無いようです。

2024.06.20インストールマニュアルで指示された通り、ワイヤー類をセットして電源アダプターをコンセントに差してみました。

この動画ではちょっと分かりにくいですが、ファンクションとキーボードのスイッチが指定通り点滅しています。何とか動作環境は問題無いようです。しかし基盤側のLEDランプが反応しません。と言う事は何かセッティングに間違いが有ると言う事です。

もう一度接続状況を確認しましたが、可能性として有るのはワイヤーの取り付けが裏返しになっている事です。

この類の本来ワイヤーをセットする場合、配線が見えるほうを上にした方が、ちゃんと接続出来ているかどうが確認出来ます。

しかし受け側のコネクターの形状を考えた場合、接点は基盤側にハンダ付けされているはずです。

そうすると、当初の接続は裏表が逆という事になります。配線を下側にしないといけないのですが、これだとセットがちゃんと出来ているのかどうかを目で確認する事は出来ませんが、仕組み上は多分この接続が正解だと思います。

案の定ペダル基板のセンサーライトがつきました。

基盤側のLEDライトも点滅しました。インストールマニュアルは英語版を日本語に翻訳したものなので、表現が分かりずらくて、何回も読み直してから現物合わせをします。その時にシステム上こうでなくてはならないはずだと推測しながら作業を進めるので、通常の3倍くらいの時間がかかります。

続いて鍵盤のチェックを行いました。日本製のサイレントユニットの場合、同じ赤外線センサーを使っているのですが、鍵盤の裏側に反射用のシルバーテープを貼りますが、このMIDIキットは何も付けないようです。ただし赤外線のセンサーに隣の赤外線が影響しない様にと、鍵盤の木場を黒く塗る様に指示されていました。そこで鍵盤の裏側を覗いてみると、黒鍵の木場に塗ってある黒の塗料が鍵盤の下側まで入り込んでいます。インストールマニュアルには鍵盤のサイドを黒く塗る時に、塗料が鍵盤の下に入り込まないように注意書きがされていました。と言う事は、このままでは動作不良を起こす事が予想されます。

黒い塗料が染み出ている部分を隠すためにシールを貼ったら良いのではないかとも考えましたが、シールの厚さ分が動作に影響する可能性も有るので、仕方なく黒い部分をペーパーを使って落として行く事にしました。しかしそれでも全体が同じ寸法だけ落とし込むようにしないといけないのではないかと思い、結局黒鍵も白鍵も同じだけ下部を削り取る事にしました。

やり方は、先ず黒い塗料が落ちるまで#100のペーパーで100回研磨します。その後#400のペーパーで50回研磨、そして仕上げに不織布研磨シートで50回研磨して仕上げます。

同じ作業を全ての鍵盤で行いました。白鍵にも裏にペイントしているものが有りました。

こちらも同じ作業で同じだけ研磨して、同じ高さを保つようにしました。

全ての鍵盤を仕上げるのに、丸1日かかりました。

2024.06.21今日も鍵盤の作業を行いました。インストールマニュアルには、センサータワーを中心に幅25㎜、高さ13㎜を黒く塗る様に指示されています。

これは赤外線センサーの光が隣の鍵盤の反射によって、誤動作を起こさない為の処理のようです。

同一場所に同一の面積で黒く塗りつぶす作業ですので、鍵盤の先から測って、指定寸法にカットした型紙を作って、作業しました。それでも慣れない作業ですので、今日一日をこの作業に充てました。

2024.07.11これまでインストールマニュアルに沿って作業を進めて来ましたが、ここに来て作業が先に進みません。それはキーセンサーユニットの前後左右の位置出しです。マニュアルには「ステータスLEDがキー11と12の間の隙間に揃うようにしながら、個々の光学センサーを各キーに視覚的に合わせます。」と表記されていますが、これは88KEYの鍵盤の場合で、73鍵のRhodes Pianoの場合は全く当てはまりません。おまけに、光学センサーの位置を目視で確認して鍵盤を取り付けると、キー18、19がおおよその場所になりますが、光学センサーの位置が全く合いません。

前回6月後半からインストールマニュアルと実物の位置合わせや、記載された鍵盤の番号をRhodes Pianoの73KEYに変換した場合の鍵盤を割り出したりしましたが、兎に角全く当てはまりません。これではお手上げ状態です。そこで今日はダメもとでキーセンサーが動作するのかどうかをチェックする事にしました。QRS MIDIコントローラーのMIDI OUTをMIDIプレーヤーに接続してみると、最低音から4つのキーは全く反応が有りませんが、少し間を開けて4つ鍵盤をセットした所、3つの鍵盤で発音しました。

高音部側も3つ鍵盤をセットしてみた所、2つの鍵盤が反応しました。前後左右に高さもバラバラな状態ですが、何とかセンサーは働いているようです。

発音すると言っても、動作は不安定です。ただ全く行き詰まり状態からやっと一歩踏み出せた思いです。

2024.07.16前回のMIDIの音出しからインストールマニュアルを何回も読み返してみましたが、やはり88KEYのアコースティックピアノとRhodes Pianoでは取り付けに際しての手法が違うようです。つまりインストールマニュアルに有る位置出し方法は、LEDライトの光と鍵盤の隙間を合わせる事で左右、前後の位置を決める様になっていますが、これは88KEYのアコースティックピアノを基準としているので、Rhodes Pianoの場合、73KEYと言う事もあってそれは出来ません。おまけに両サイドの拍子木が干渉して、左右の位置出しに制約が有り、このままでは正確な発音も出来ません。上下、左右、高さの三次元の位置を最適な位置に決めて行ければ動作するはずですので、拍子木をカットして位置決めをすることにします。配線の取り回しも拍子木が邪魔になってしまうので、カットしなければならないでしょう。

2024.08.10前回の投稿から時間が取れる時に、上下、左右、色々と基板の位置を変えたり、鍵盤をセットして動作確認をしてみたりしましたが、どうもうまく行きません。もしかしたら、基板に何か不具合が発生したのかと考えて、光学センサーの上を鍵盤の代わりに指を上下させて赤外線ビームの状況をチェックしてみると、何とか動作しているようです。

高音側の拍子木も取り外して、基板の左右の自由度を上げてみましたが、やはり動作しません。この黒鍵は鍵盤を持ち上げて下ろす動作で発音しますが、インストールマニュアルの鍵盤の接近値とは全く違っています。作業の途中で何らかの見落としが有るのか、根本的な所でミスが有るのか、これまで何回か繰り返して作業を行って来ましたが、どうしてもここから先に進めません。再度スタートラインに戻って、基板の位置出しを1からやり直す事にします。

2024.08.16再度基板全体のセンサーの確認を行いましたが、指でチェックする分にはちゃんと発音しています。しかし鍵盤でチェックすると音がでません。

そこで鍵盤の裏の反射に問題が有るのかも知れないと考えて、白のビニールテープを貼って動作確認を行いました。

残念ながら、動作は変わりませんでした。基盤の位置の前後、左右、上下を少しづつ変化させながら発音するポイントを探してセットしても、鍵盤に対しては反応しません。

2024.10.05これまで何故鍵盤の動作に反応しないのか、色々と試行錯誤して実験をして来ましたがどうしても原因がつかめません。ただ、センサーの位置と角度によるか鍵盤の材質によるものなのかのどちらかか、又はその両方が原因との仮定にたどり着きました。そこで、いろいろな素材を使って、センサーの反応を調べる事にしました。最初は鍵盤と同質の木材で実験しました。すると不安定では有りますが、何とか発音しました。

次に赤外線ビームの反射を調べる為に、金属製のヘラを使ってみた所、こちらも不安定ですが反応します。

それでは赤外線ビームの照射範囲を調べる為に、鉛筆をつかってみました。するとこちらも何とか反応しています。

それではと思い、爪楊枝で実験しました。こちらはダメだと思っていたのですが、意外な事に反応しています。

これは絶対にダメだろうと思い、黒のフェルトを使ってみたところ、こちらも反応しました。それじゃ、何故鍵盤がダメなのか?益々分からなくなって来ました。

それでは鍵盤の裏の赤外線ビームが当たる部分の材質の問題なのかと考えて、いろいろな種類のマスキングテープを用意して、反射部に貼って実験してみました。

マスキングテープの中で一番反応が良かったのは、このシルバーグレーのテープでしたが、それでも動作は不安定で、反応は良くなかったです。

これまで時間が取れた時は一日1時間程実験を繰り返して来ましたが、これまでの実験の結果、センサーと鍵盤の接近と角度に原因があるのではないかとの結論になりました。つまり、指や他の実験に使った材料の動作ベクトルと鍵盤の動作ベクトルと接近速度の違いが原因の可能性が高いと推測して、次の一手を考えて行く事にしました。

2024.11.14お客様からのご依頼も有り、ヤマハのアップライトピアノにMIDIセンサーを取り付けて動作を確認する事にしました。

88鍵のピアノに73鍵のセンサーユニットをセットするという事で、これまた高さや左右、上下を何回も変えながら発音ポイントを探りました。

高さの変更はクレジットカードを1枚ずつ増やして行きながら、鍵盤との距離を縮めて行く方法で行いました。

するとある特定の鍵盤に反応しましたが、どうも正常な反応では有りません。隣に鍵盤がセットされると発音しなくなってしまいます。

センサーの位置を左右に変える事で、音の減衰は変わりましたが、その位置は殆ど鍵盤の側面と言って良いくらいの位置です。

これでは隣の黒鍵も同じセンサーに反応して、同じ音階の音が出てしまいます。

とにかく一日中いろんな事を試して見ましたが、何らかの手がかりも、規則性もつかめないで一日が過ぎてしまいました。アップライトピアノでも結局Rhodes Pianoと殆ど同じ状況でした。とにかく指でたたくと全てのセンサーが反応して発音するのに、何故鍵盤ではダメなのか、その理由が分からずじまいです。

2024.11.30どこかでマニュアル通りに進んでいない箇所があると考えて、インストールマニュアルを読み返してみると、やはりセンサーの位置出しをしてセットする時の作業が出来なかった所に行き着きました。これは当初から問い合わせしていた箇所ですが、的確な返事を頂けなかったので、仕方なくスルーして進めていた所です。そこで、インジケーターの光が見えない理由があるはずだと考えて、鍵盤の寸法を図ってみました。

Rhodes Pianoの同じ73KEYモデルで、最低音のEから最高音のEまでの寸法を計った所、1008㎜でした。

同様にアコースティックピアノ(ちなみにヤマハのUP)のE~Eまでの鍵盤幅を計ってみました。

するとこちらは1017㎜で、Rhodes Pianoの寸法1008㎜と比べて9㎜の誤差がありました。

また、黒鍵と白鍵の長さを計ってみると、黒鍵は100mmでした。

白鍵は150㎜です。

UPの方は、黒鍵が95㎜で、約5㎜Rhodes Pianoの方が長いです。

白鍵はRhodes Pianoとほぼ同じ150㎜でした。この違いが影響しているのかどうかは、もう少し検証してみないと分かりません。

2024.12.30年末にかけて、他のお客様の修理が立て込んでいたのでまとまった時間が取れずにいましたが、今日から一応年末年始の休みとなりましたので、この間に再度取り付けマニュアルをしっかりと見て、マニュアル通りに作業をする事にします。

そこで、これまでやって来た作業の中で、このステータスLEDの位置合わせが出来ていなかったので、再度マニュアルを見て作業を行いました。何故作業が中断したかと言うと、このマニュアルが88鍵のアコースティックピアノを前提に作られており、73鍵のRhodes Pianoだと、指示されたKEY番号が合わなくなる不都合があったからです。

そこで、再度ステータスLEDの位置を確認した所、スキャンボード1のLEDの位置は、鍵盤11と12の間に来るようにセットしなさいと記載されていまた。当初88KEYの鍵盤で計算した場合、鍵盤位置11と12は18と19になるはずでしたが、今回マニュアル通りの11と12の間にステータスLEDが来る事を確認しました。

次にスキャンボード2は鍵盤33と34の間に来るように記載されていたので、こちらもステータスLEDはこの鍵盤位置で合っていました。

しかし次のスキャンボード3については、マニュアルでは鍵盤55と56の間に来るように指示されていましたが、こちらは鍵盤50と51の間に来ます。ただ、ここまでは鍵盤位置は違っていますが、指定された鍵盤どうしの間にステータスLEDの位置がセット出来ていました。

しかし最後のスキャンボード4については、マニュアルでは鍵盤77と78の間と記載されていましたが、Rhodes Pianoは73鍵でこの番号の鍵盤は存在しません。実際には鍵盤67と68になります。

おまけに、ステータスLEDの位置が右側にずれて、鍵盤の隙間からLEDは見えなくなります。この問題の解決法はマニュアルには載っていませんが、もしやるとすれば、スキャンボード4の基盤をヤスリ等で削るしかないでしょう。ただ、これは基板の左右位置を合わせる為の手法でしょうから、鍵盤とセンサーの位置がギリギリ合う可能性が有りますので、ここはこのまま様子を見ます。

2024.12.31一晩考えて出た結論は、キースキャン回路の光学センサーの数が、22個の物と17個の物が有ると言う事は、基本的に88鍵のピアノに取り付ける為のキースキャン回路の光学センサーの数は22個×4で、88になります。しかしRhodes Pianoの73KEYに対応させる為に、光学センサーが17個のキースキャン回路を3枚作って、残りを22個の物にして、17×3+22で73にしているのです。その為、計算はしていませんが、ステータスLEDの位置番号がズレる事になったのだと考えます。

88鍵のピアノ場合、最低音はAで最高音はCになります。これに対して73鍵のRhodes Pianoの場合は最低音、最高音共にEになります。その為、低音部では7鍵、高音部では88鍵がカットされています。これがキースキャン回路の光学センサーの数量の違いとなり、その結果マニュアルに記載されていたKEY番号に違いが起こり、これが今回の混乱の原因で、その為に作業がストップしたと言えます。そこで今回はKEY番号の33、34に合わせてキースキャン回路の左右の位置決めを行う事にしました。

次に光学センサーの前後の位置決めをする為に、マニュアルに記載されている通りの位置出しをして、左右の拍子木土台に鉛筆で印を付けました。当初位置出しをする時に、黒鍵の端から4.7㎜の位置とされていましたが、この位置を逆方向に計っていたので、ここで修正しました。

高音部側も同じ様に印を付けて、位置決めを正確に行うようにしました。

実際にセットする時には、拍子木土台の上面だけでは正確な位置出しが出来ないので、定規を使ってサイドにも位置出しのラインを鉛筆で書きました。

これでキースキャン回路の前後、左右の位置が決まった事になります。

位置を決める為のステータスLEDも、鍵盤33と34の間で目視出来ます。

この状態で鍵盤を弾いてみると、やっと音が出る様になりました。まだ白鍵の方は高さの調整が出来ていない為か、サスティーンがかかった様な状態ですが、何とか一筋の光が見えて来た感が有ります。

ここまでで、キースキャン回路の前後左右の位置が決まった事になります。後は高さと鍵盤に対する角度の調整となります。ここで各ポイントの黒鍵の発音状況を見ると、中音部の34の黒鍵は問題無く発音していますが、それ以外のNO12の黒鍵とNO50の黒鍵は上手く発音しません。

そこで鍵盤下スペースを広げる為にキースキャントラックマウントのプラスチックパーツを外して発音するかどうか確認しました。

すると中音部の33と34の鍵盤はしっかりと反応しましたが、50の黒鍵は音量が小さく、67と12の黒鍵は全く反応しませんでした。また迷路に入り込んでしまったようです。年内に全ての鍵盤でMIDIで音が出る事を目標としていましたが、残念ながら来年に持ち越しとなりました。

2025.01.03今日は午後からこちらの状況を再度確認しました。マニュアル通りに左右、前後の位置が決まったのであとは鍵盤までの隙間の調整が出来れば機能するはずです。

しかし、状況は年末と全く変わりません。左右、前後の位置が決まっていて、尚且つ動作しないと言う事は、Rhodes本体のキーベッドに歪みがあるのか、キースキャン回路の基盤に反りやねじれがあるのか、兎に角鍵盤までの距離と角度が規程値にはまっていないと言う事になります。

そこで再度鍵盤底部を見てみると、センサーの当たる位置にホールが有ります。

これが原因なのかと考えて、マスキングテープやビニールテープを貼って塞いでみましたが、全く変わりません。

2025.01.04とにかくマニュアル通りに作業を進めると言う事で、何回もマニュアルに目を通して、現在の作業が間違っていないかを確認しながら前に進めました。

しかし、結果は全く変わらずじまいでしたので、一度全ての鍵盤をセットして音出し確認してみました。やはり同じと言うか、今まで出ていた鍵盤も反応しなくなりました。

再度鍵盤を外して、当初発音していた鍵盤を弾くと、音が出ます。

その後、鍵盤を乗せては外してを繰り返して動作チェックをして行くと次第に動作内容が変わって来ます。こうなると、コントローラーの異常が原因なのではないかと思ってしまいます。とにかく丸1日動作チェックをしてみましたが、動作内容が変わって来て、全く原因を掴む事が出来ません。

2025.01.05正月休み最終日となりました。今日も朝からマニュアルとにらめっこしながら、正常に動作しない原因を探ってみましたが、一向に原因がつかめません。マニュアルに記載されている通りに進めて来て、マニュアルにはここで全ての鍵盤の音が出ると書かれていますが、実際は全く違います。これまでの経験から、先入観や思い込みが有るといけないので、兎に角マニュアルに記載された内容を何回も繰り返しチェックしながら進めて来ました。それでも動作しないので、今度はどうしたら音が出るのかを試してみました。

初めの段階でもそうでしたが、鍵盤の位置を離した所から落とすようにすると、動作する事が確認されていましたので、全体の鍵盤の動作を同じ様に行って見た所、やはり音が出ます。しかし、これでは鍵盤を弾く状態にはなりません。どうもここまで迷い込んでしまうと、出口が見つかりません。

2025.01.06最後の望みをかけて、鍵盤の裏側に反射シールを貼ってみました。日本製のサイレントユニットを取り付ける時には反射シールを貼っていたので、もしかしたらと思い試してみました。しかし、やはり駄目でした。

こうなったら、試しにパンチカーペットを貼って、センサーまでの距離を近づけてみたらどうだろうかと試してみましたが、当初の状況と待った変化が有りませんでした。しかし、こんなカーペット状の物を貼っても、反応するのだと分かりました。大変残念ですが、ここで終了とさせて頂きます。

2025.01.23お戻しの為、本体を組付けて音出し確認をした所、ピックアップが3つ飛んでいました。こちらはお戻し後、お客様にてご対応頂く様に致しました。

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