Rhodes Piano Mark 1 Suitcase 73Key Cutting the top cover 2024.06.29

ローズピアノ マーク1 スーツケース 73キー トップカバーのカット2024.06.29

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ピアノ職人・VIRA JAPAN 
(有)ラッキーパイン

2024.09.02都内からRhodes Pianoの上にキーボード類を載せられるように、トップカバーをカットして欲しいとのご依頼で、作業を開始致しました。取り掛かるまで2か月程お待たせしましたので、しっかりと調整を進めて行きたいと思います。先ずは鍵盤の高さを測ってみましたが、割と揃っています。

黒鍵も鍵盤の下がりも無く、状態は良好です。

ただ、音出し確認をしようと電源スイッチをONにしておいて、暫く経ってから打鍵しても音が出なくなりました。アンプの電源を一旦切ってから再度ONにした所、発音しました。これは一過性のものなのか、何らかの故障があるのか、原因がつかめないので、お客様に確認をしました。すると、プリアンプのセンド、リターンにフォーンプラグを抜き差した時に、音が出なくなる症状があったと言う事でしたので、このセンド、リターンの不良と思われます。後で修理をする事にします。

続いて、鍵盤を剥ぐって内部の様子を確認しました。

かなりホコリがたまっていました。

バランスピンもサビが発生していますので、こちらは対策をしておいた方が良いでしょう。

2024.09.10棚板の清掃をした後、バランスピン、フロントピンの磨き込みを行います。

今回は画像に映っている薬剤を使います。

パンチングを外して、ピン1本1本を手磨きします。手で磨くとピンの抵抗が伝わって来て、サビの状態やキズの有無も感じ取れます。

バランスピンの磨き込みを完了して、フロントピンに移りました。バランスピンのパンチングは布パンチングが欠如しているものが多く有りました。以前鍵盤整調を行った時に外したのかも知れません。

全てのピンを手磨きすると、ピンは綺麗になりますが、次の朝、私の指は硬直して暫く動きが悪いです。

鍵盤もセットして、全体の動作確認も行います。鍵盤のブッシングクロスも同時にチェックしておきました。

取りあえずプリアンプも乗せて、今日の作業はここまで。

2024.09.12プリアンプの修理を行いました。

時々音が出なくなる症状が発生するとの事でしたので、センド・リターンのフォーンコネクターの接触不良があるのではないかと考え、対策しました。このパーツはフォーンプラグを差し込んだ時にスピーカーへの信号を遮断する機能が有ります。通常は導通させるようになっていますが、この接点にサビが発生して通電しなくなることがあり、それが音が出ない不具合を起こします。

薄刃のヤスリを使ってサビを落とした後、無水エタノールで洗浄して接点復活剤を塗布しておきました。

ビブラートスイッチもON-OFFの切り替え時に力がかかって、時々このスイッチの接触不良で音が出なくなることがあります。

念のためこちらは再ハンダをしておきました。

その他、ボリュームポッドとスライドボリュームも接点復活剤を少量塗布して対策をしておきました。この後エイジングで通電しておきます。

エイジングをかけて問題は発生しませんでしたので、続いてトップカバーカットの為の採寸を行います。

以前制作したカバーの寸法に合わせて、イメージを作って行きます。

カットした後のカバーの奥行きは370㎜~380㎜を予定しています。画像のイメージは375㎜です。あまり手前に出すぎるとRhodes Pianoの鍵盤を弾く時に、弾きにくくなってしまいますので、この位が良いと思います。

2024.09.16少し時間が空きましたが、金具の取り外しとカット位置の決定、トーレックスの処理方法をシミュレーションする為に電ノコをセットして位置確認を行いました。

2024.09.09カットする位置を決めたら、トーレックスを残す為にカット位置から3㎝程の所をカットします。

蓋の前面をガイドにして、カッターで切って行きます。

上面をカットしたら側面も同じ位置でカットしておきます。これでいよいよ本体のカットに進みます。

カットは無事に終えられたので、トーレックスの張りこみをします。手前側はトーレックスをカットしていますので、新しいトーレックスを張り込んで行きます。

カットした奥側は、トーレックスを残しておいたので、それを接着して行きます。

2024.09.21今日もトーレックスの貼り込みです。接着作業は接着剤が乾くまで次の作業に進めない為、時間がかかります。

2024.09.25トーレックスの接着を終えて、アルミ製の補強バーを取り付けました。

本体に取り付けて、問題の無い事を確認しました。

カバーの手前側もセットして、ラッチも取り付けました。

この後、奥側のカバーにもラッチを取り付けて、カバーのカット作業は完了となります。カバーのカット作業が終わったら、本体の動作チェックとエイジングで様子を見ます。

2024.09.26最終動作確認とプリアンプ、センド-リターン端子の確認も行いました。エフェクターの持ち合わせが無かったので、センド端子から外部アンプへの出力確認と、リターン端子はシールドのホットタッチで確認し、問題有りませんでした。

電源のIN-OUTプットの確認も同様に行い、問題無い事を確認しました。

ヘッドフォーンも問題無く動作していますが、ノイズが目立ちます。これは当社のこの場所の問題も有りますが、Rhodes Piano特有のシールド不足も影響しているかも知れません。

続く

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