Rhodes Piano Mark1 Stage Model Maintenance ローズ ピアノ マーク 1 ステージモデル 修理2025.10.26

ローズ ピアノ マーク 1 ステージモデル 修理 2025.10.26

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ピアノ職人・VIRA JAPAN 
(有)ラッキーパイン

2025.10.22にお客様がRhodes Pianoのステージモデルとスーツケースモデルをお持ち込み下さいました。こちらはステージモデルですが、中にAVION STUDIOSのRetro Flyerと言うプリアンプが内臓されていました。これはStage Modelでありながらビブラート機能も使えると言う優れものです。

取り合えず中をチェックしましたが、先ずは最低音のタッチがやたら重くかったのですが、発音はするので不思議な現象だなと思いました。そこで鍵盤を外して中を覗いてみると、なんとギターのピックが引っかかていて、それが邪魔をしていました。先ずは一安心です。

次に鍵盤の動作確認で全ての発音状況をチェックしましたが、低音部の音の鳴りにバラつきがありました。先ずは鍵盤のならしを見てみましたが、最低音はかなり下がっています。

中音部も案の定下がり気味です。

黒鍵は分かりずらいですが、やはり中音部が下がっていました。そこで、低音部のタッチ感と発音にバラつきが有るので、こちらから調整をする事にしました。当初、トーンジェネレーターを調整してみましたが、かなり下げないと音の出方にバラつきが残ります。あまり下げすぎると、ピックアップに干渉してしまいますので、ハープ全体の位置を確認しました。

どうも低音部側の高さが高いようなので、低音部側のスペーサーの厚さを計ったら、約3.2㎝ありました。

そこで低音部側のスペーサーを0.75㎝の薄い物に交換する事にしました。

ビス穴の位置にドリルで穴を開けて、本体に取り付ける事にしました。これで低音部のタッチはかなり改善されました。

2025.11.03今日は午前中から集中してメンテナンスを行いました。先ずは、棚板のお掃除から開始。それ程ホコリは溜まっていませんでしたが、ハンマーの奥までしっかりとクリーニングしました。

続いてバランスピンとフロントピンの磨き込み作業を行いました。

こちらはいつも通りパンチングを外して、戻す時に布パンチングが上面に来るようにセットします。

ピン磨きの作業を終えて、鍵盤の穴コロシ作業をしようと始めた所、最低音の鍵盤ブッシングが木部から削ぎ落ちているのを発見しました。

当初はギターのピックが干渉しているだけかと思っていたのですが、これは何かの拍子にブッシングを剝がしてしまったようです。ブッシングに鍵盤の木部の残骸も張り付いました。

そこで、剥がれ落ちた木片をそのまま鍵盤に接着して、接着用スプリングで圧をかけて置く事にしました。

その間、鍵盤のブッシングをキープライヤーで調整する作業を行いました。この作業は鍵盤動作がスムーズになるのと共に、1つ1つ鍵盤の状態を見ながら作業を行って行くので、鍵盤の異常を発見するのにも役立ちます。

案の定最低音の黒鍵のブッシングが片方剥がれて欠損していました。

こちらは最低音の白鍵と共に、ブッシングを接着しておきました。

鍵盤ブッシング調整が終わったので、これから鍵盤ならし調整を行います。鍵盤は中央部分がどうしても下がって来るので、タッチの均一を得る為にこの作業が重要になって来ます。

時間をかけて白鍵を終わらせました。

その後、黒鍵もしっかりと調整しました。

鍵盤調整作業が終わったので、残りのハープ調整、ボイシング調整を行いました。特に音が出にくかった低音部は、スペーサーを薄い物に交換しましたので、タッチが良くなりました。今日一日かけて全体の調整作業を終えて、後はエイジングで変化が出ないか調べます。取り合えず、御依頼頂いた作業は完了しました。

2025.11.041ペダルを取り付けてダンパーの動作確認を行いました。問題無く機能していました。一部音色の微調整を行い、全ての作業が完了致しました。

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