Rhodes Piano Mark1 Suitcase 73Key Maintenance 2023.09.11

ローズピアノ マーク1 スーツケース 73鍵モデル 修理 2023.09.11

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ピアノ職人・VIRA JAPAN 
(有)ラッキーパイン

2023.08.26に都内のお客様のご依頼でメロトロンとウーリッツアーと合わせて修理ご依頼頂いたローズピアノです。

カバーは美しく塗装されていて、トーレックスも貼り替えられ、金具類も新品に交換されています。これ程美しいRhodes Pianoを見る事は滅多に有りません。

細部にわたり非常に良くメンテナンスされていましたので、特に修理する必要はあるのかなと思いましたが、念の為全体を細かく見る事にしました。すると中央部の鍵盤にガタツキがあります。

中央部の白鍵も若干左に傾いていますが、これは鍵盤の反りが原因なので補正は難しいです。取りあえず許容範囲内と言う事でこのまま使って頂きます。

また、低音部側の発音ポイントに若干ムラが有ります。こちらはハープ調整とボイシング調整をした方が良いでしょう。

鍵盤のバランスブッシングクロスはかなり減っていますので、貼り替えた方が良いでしょう。

フロントのブッシングクロスもかなりへたっているので、こちらも交換をしたいです。

その他、ピンの磨き調整もやっておくと良いと思います。

何故かピックアップにスクリューがくっついていました。このスクリューはピックアップコイルを止める為のスクリューのようです。

エナメル線の色の違いから見て、ピックアップコイルもかなり沢山交換されていました。何故かホワイトテープの貼ってある物が一つだけあります。

2023.09.14取りあえずバランスピンとフロントピン磨き調整から作業を開始致しました。

Rhodes Pianoは製造時に鍵盤の高さ調整の為の紙パンチングをそのまま上にして出荷しているようです。これまで調整したRhodes Pianoのほぼ全てがそうでした。問題が有るわけではないですが、やはり将来誰かが鍵盤を上げた時に、紙パンチングは鍵盤の裏にくっついて来てしまう事がありますので、布パンチングを上面にして欲しいです。一応今回ピンを磨く為に一度全部外しましたので、布パンチングが上面に来るようにしました。これは日本人の美意識みたいなものかも知れません。

次高音あたりの2音のパンチングに布パンチングが無くなっていて厚手の紙パンチングが入っていました。何か意味が有るのかもしれませんので、こちらはこのままにしておきます。

2023.09.21鍵盤のブッシングクロスの剥がしを2日かかりで行いました。

通常は蒸気をあててブッシングクロスを剥がすのですが、Rhodes Pianoの場合は鍵盤の材質が変化し易いので、電気コテを使います。

その為通常の作業の2倍の時間がかかりますが、後の鍵盤の反りや変形などの問題が起こらない方法を取ります。

剥がしたブッシングクロスです。73KEY×2=146枚を無事に剥がし終えました。

2023.09.28鍵盤ブッシングの貼り替えを行っています。

本日バランス、フロント両方のブッシングクロスの張り替えが終わりました。明日本体にセットして鍵盤調整を行います。

2023.09.29鍵盤を本体にセットして微調整を行います。

先ずは専用工具でフロントピンの角度調整をして、鍵盤の動作状況を均一にします。

続いてハープ調整で発音ポイントの調整や音色の調整を行います。

その後全体を通しての音量のバランスと取って行きます。

ご依頼頂いた全ての作業を完了しました。この後暫く電源を入れた状態でエイジングして様子を見ます。問題がなければ全て完了となります。

2023.10.03お客様が引き取りに来店し、無事にお渡し出来ました。有難うございました。

完了

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