Rhodes Stage Piano Mark2 Maintenance 2023.03.13

ローズ ステージ ピアノ マーク2 修理、メンテナンス 2023.03.13

山梨県のお客様よりRhodes pianoの修理、メンテナンスのご依頼を頂きました。

症状は音が出ない鍵盤が幾つか有るとの事でしたので、ピックアップコイルの断線と思われます。

以前どちらかで修理されたようで、30個のピックアップコイルが交換されていました。

鍵盤を叩いただけでは確実でないので、直接ピックアップにタッチして動作を確認します。

すると全部で17個のピックアップが飛んでいました。

さすがに以前交換したピックアップは問題有りませんでしたが、

やや調整不足と言うところが有りました。

どうしてもピックアップコイルが断線していると、交換する事が中心となってしまい

交換して音が出るようになると、それでOKとなってしまう場合が多いです。

しかし、メンテナンスは全体を俯瞰して見ないと、見落としてしまう事が有ります。

それをするのは時間と手間がかかるので、中々難しい所でもあります。

ピックアップのチェックをしていたら、48G#が二つ並んでいました。

どこでこうなったのかは分かりませんが、殆ど同じ長さなので、問題は有りません。

2024.07.05事情によりかなり間が空きましたが、ピックアップ17個の交換作業を開始しました。

1個のピックアップを交換する為に、左右のトーンジェネレーターを外すので、1個のピックアップ交換で3個のトーンジェネレーターをします。これは交換作業をやり易くする為です。

その後ピックアップコイルを17個取り外しました。

これから断線したピックアップコイルを巻き直します。これがすごく時間がかかります。

2024.07.07日曜返上してピックアップの巻き直し作業を行いました。外は35度を超える猛暑日の様ですが、エアコンを付けた室内は快適です。しかし、コイルの巻き直しは神経と時間を使います。

元々巻き直した在庫のピックアップ4個に加えて、今日一日で11個のピックアップの巻き直しをしました。残りは明日の作業とします。

2024.07.08ピックアップを巻き直して17個作り、午後からピックアップの取り付けを行いました。ワイヤリングのはんだ付けは明日以降の作業とします、

2024.07.09トーンジェネレーターを取り付けて、ハープ調整まで行いました。その後音出しチェックした所、2か所音が出ないKEYが有りました。この手の作業に付き物の新たなピックアップの断線です。ピックアップ交換をする時にハンダを使いますが、その熱で隣のピックアップが断線する事が有ります。また最近の高温、高湿度も影響します。今回の断線は31D#2と53C#4でした。

2024.07.11新たに切れたピックアップ交換も完了して、音出しチェックを行いました。全音問題無く発音していますが、音色、音量、タッチポイントがバラバラでしたのでハープ調整とボイシング調整を行いました。これで後はペダル調整と全体の調整に移ります。

2024.07.13ペダルを取り付ける為ペダルの状態をチェックした所、ペダルフットのゴムスペーサーが無くなっていました。

このままでも使えない事は有りませんが、ペダル前部が地面に着いてしまい、安定が悪くなります。

純正品ではないですが、代わりになるスペーサーをビス止めしました。

これで何とかペダルの水平も保てます。

また、脚をセットする時に使用するクロスバーのノブも純正品では無い物でした。本体に取り付けてみると、ピッチが少し違っているようで、締め込み時に固くなります。ビス山を壊してしまう危険性が有りますが、この純正パーツがやたら高いので、お客様とご相談です。

ペダルを取り付けて、動作確認を行いましたが、問題無く動作してくれました。

これでご依頼頂きました作業は全て完了致しました。

続く

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