Rhodes piano Mk2 73KEY Suitcase Maintenance 2023.06.16

ローズピアノ マーク2 73鍵 スーツケースモデル修理 2023.06.16

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ピアノ職人・VIRA JAPAN 
(有)ラッキーパイン

2023.06.14 横浜市のお客様より修理依頼が有り、当社スタッフと共にお引き取りに伺いました。なかなか程度の良いマーク2スーツケースピアノですが、ピックアップの断線が幾つか有りました。

お客様の方で断線している箇所にポストイットでチェックをして頂いておりましたが、実際にはもう1個飛んでいました。

結局ピックアップ断線は7カ所でした。

以前にも修理をしているようで、ピックアップ交換されているものが幾つか有りました。今は無くなってしまいましたが、都内の有名ヴィンテージ楽器店での作業だったと言う事で、はんだ付けやワイヤリングは綺麗に仕上げられていました。

鍵盤下を覗いてみると、紙パンチングを使って鍵盤ならしをしていましたが、紙パンチングをそのまま上面にしておくのはちょっと気になります。本来は紙パンチングの上に布パンチングを載せるのですが、Rhodes pianoを扱う方は紙パンチングをそのまま上面に載せっぱなしにしている方が多いです。その方が永遠にメンテナンスを行うのであれば良いのですが、誰か別の技術者が調整しようとして鍵盤を外した時に、鍵盤にくっついて紙パンチングが剥がれてしまいますので、面倒ですが上面は布パンチングにして欲しいです。 バランスピンを触ってみると、かなりネバッとしたべたつきが有ります。こちらのピンは磨いた方がよさそうです。

また、鍵盤中央部にガタツキが出ています。

中央部は使用頻度が高いのでどうしてもブッシングが擦り減って隙間が大きくなり、鍵盤のガタツキが出やすいです。

ブッシング交換をすれば元の状態に戻りますが、修理費用が高くなってきますのでどこまでやるかはお客様と相談になります。

2023.06.25鍵盤の動きにダイレクトに影響するバランスピン、フロントピンの磨き込みから作業から開始しました。こちらのピンは鍵盤が動く時の支点となる部品ですので、演奏時のタッチ感に大きくな影響を及ぼします。

特にバランスピンは鍵盤が動作する時の抵抗が起きやすい部品なので、パンチングをはずして根元から汚れやサビを落とし込んで行きます。

一つ一つ手作業で行って行きますのでそれなりに時間がかかりますが、作業前と作業後で指先で触った時のツルっと感が全然違います

フロントピンも同じ作業を行いましたが、フロントピンは結構サビが浮いていたので、この時期に磨き込みを行えたのはグッドタイミングだったと思います。

折角なので内部のいろいろな所をチェックしてみました。すると鍵盤おさ(キーベッド)に反りが発生していて、指で押し込むと上下に揺れます。Rhodes pianoには良くあるのですが、日本の気候が影響しているのかおさの中央部が持ち上がって来て、ひどくなると鍵盤を弾いた時に鍵盤がバウンドするような感じになります。これはビス止めしておいた方が良いでしょう。

鍵盤おさの反り対策の為、ビス止めしました。

ビスは貫通させて鬼目ナットで固定しました。

フロントピン、バランスピンの調整を終えて、鍵盤を戻してからフロントピン調整で鍵盤ガタの調整まで終えました。今後はピックアップコイルの交換作業に入って行きます。

2023.06.30ピックアップコイル交換の為にトーンジェネレーターを外して行きました。これからピックアップを外して交換作業を行って行きます。

今回のコイル切れは7個でしたが、Mark2はとにかくコイル切れが多いです。これはコイルの製造時のエナメル線の巻き方に原因が有ると考えています。その為当社ではコイル断線の原因対策をする為に、将来切れないようなコイのを巻き直しをしています。

ピックアップ交換は手際と慣れを要求されます。ピアノの修理と言うよりは、電気回路の修理になります。

今回交換したピックアップにはマスキングテープを貼っておきました。

この状態で暫くエイジングしてから、週明けにハープ調整、ボイシングを行って、問題が無ければ作業完了となります。

1日置いてハープ調整とボイシング調整を済ませ、問題無い事を確認して作業は完了致しました。後はお戻しの段取りですが、なんせ5階の階段上げ作業なもんで気合を入れて行かなければなりません。ガンバリます。

2023.07.05スタッフと二人で5階階段上げ作業でお戻し完了しました。有難うございました。

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