Rhodes piano Mk1 73KEY Suitcase Maintenance 2023.02.17

ローズピアノマーク1 73鍵スーツケース 修理 2023.02.17

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ピアノ職人・VIRA JAPAN 
(有)ラッキーパイン

福岡県よりRhodes pianoの修理品が届きました。

配送は段ボール梱包で西濃運輸の営業所に持ち込んで貰いました。

鍵盤部は裏側のRhodes pianoのエンブレムが破損しないように、段ボールでカバーをしてもらいました。

カバーは破れが有りました。

アンプ部も段ボール梱包で無事に配送して貰いました。

外装は年代物だけあって、それなりに傷みはありますが、修理する側からすると、程度は良いと思われます。

スピーカー背面のRhodesのエンブレムもちゃんと着いています。

色々なRhodesPianoを調整して来ましたが、今回はどの程度の修理が必要かちょっとドキドキ!

先ず音出しCheckをする為に、コード類を接続と思ったら、コード類が入っていない。

取りあえず、当社在庫品のコードを使って接続してみます。

電源スイッチがシブくてちょっと気合が入りましたが、取りあえず電源は入りました。

しかし、あちらこちらに動作不良が見受けられます。

先ずは、何処から切り込んで行くか、思案のしどころです。

2023.02.19本体を分解して状態を確認しました。

目玉のシールが有りました。何に使ったのでしょう?」

内部のホコリはそれ程でも無いのですが、やはりバランスピンやフロントピンにサビが発生していました。

ダンパーには一部ハンマーが当たっていたようで、黒く変色している箇所がありました。

傷み具合としては、年数による経年劣化と言った所でしょうか。重篤な故障やダメージは見受けられません。

鍵盤は汚れや変色が有りました。これも出来る所まで綺麗にしたいところです。

バランスブッシングはそれ程減りは無く、良好な状態です。

フロントブッシングも減っていませんでした。

あまり、使用頻度が高くなかったようです。

アンプは各所で接触不良が有り、ちょっとしたことで音が出なくなったりします。

アンプの汚れも中々なものです。

別にこのままでも使用出来ない訳では有りませんが、修理する者としてはやはりこのままにしてはおけません。

アンプを取り外して、内部をチェックしましたが、年数相当の経年劣化が有りました。

スピーカー類は問題無く動作しているようです。

さてさて、どこまでメンテナンスを行うかお客様と相談です。

2023.03.01 お客様からオーバーホールのご用命を頂きましたので、先ずは、鍵盤の調整作業から始めました。

白鍵の黄ばみは中まで浸透しているようで、落としきれないかも知れませんが、なるべく綺麗にしようと思います。

順番としては、研磨剤を使って手作業で汚れ落としをしてから、スチールウールで下処理後バフ研磨します。

通常の作業の約3倍の時間がかかるので、ミスの無いように時間をかけて作業を進めて行きます。

鍵盤の元の状況

因みに、汚れを落としてバフ研磨でこんな風に綺麗になりました。

最初の作業で、全ての鍵盤のバフ処理を終えました。丸二日の作業となりました。

続いて、次の作業はバランスピンとフロントピンのサビ落としと磨き上げの作業です。

今回はアコースティックピアノ用のキーピンスムーサーを取り寄せてみたので、早速使ってみました。

作業はスムーズに進みますが、キーピンのサビがどの位落とせているのか分からないのと

研磨剤を拭き取る作業が必要で、結局一手間増えた感じです。

やはり最初は手作業で0000番のスチールウールを使って、指の感触を確かめながらの作業の方がシックリします。

その上で、研磨剤での磨き上げとPROTEKを塗布して、大変良い感触になりました。

フロントピンもバランスピンと同じ工程で作業をしました。

どちらも肌触りが滑らかになり、抵抗が減ってとてもスムーズになりました。

ここまでで、全作業の10%~15%位と言った所でしょうか。

2023.03.14鍵盤の整調に入りました。

先ずはバランスホールの穴コロシです。

アコースティックピアノでは割と定番の作業ですが、

エレピでこの作業をやっている場面は見たことが有りません。

また、通常は穴コロシ専用の治具を使用しますが、下手にやるとバカ穴になってしまいますので

当社では独自の治具(企業秘密の為公開出来ません)を使用します。

この作業は大変時間がかかるので、通常の作業ではやりませんが

しっかりとメンテナンスすると、鍵盤の動きが全く違って来て、尚且つ長期間スムーズになります。

半日かけての作業で全体の鍵盤の1/4が完成しました。

手が痛くなるので、一日にあまり沢山作業出来ないのが難点です。

昨日の続きで、鍵盤の穴コロシが終わりました。

コンプレッサーでスロットルの中の異物を吹き飛ばすとともに、

ブッシングの接着不良が無いか確認します。

全て問題無しでした。

引き続き、アンプのクリーンアップに移ります。

これだけ汚れがこびりついていると、汚れは簡単には落ちません。

何種類かのクリーナーを使って、汚れをかき落として行きました。

アンプ内部もクリーニングして、最後は接点復活剤で接点の不具合が出ないように調整します。

明日以降に本体に繋いで動作確認となります。

この間、ハンドルやコーナーの金属磨きをしておきます。

2023.03.20 いよいよ鍵盤を本体に戻して、全体のメンテナンス、調整をしようとしたところ、

ある音程で歪みが出る、それも、片チャンネルだけの歪みです。

あまり、経験したことの無い歪みの出方でちょっと厄介な状況になりました。

原因追及の為、プリアンプのボリュームから5ピンケーブル、メインアンプ、スピーカーと追っかけて行きます。

ヘッドフォーンでは出ていないので、アンプかスピーカーのどちらかと目星をつけて、原因追及します。

鍵盤の動きはすこぶる良好なので、この歪みの原因が解明されないと、次のハープ調整やその他のメンテナンス、調整、調律も出来ないので、しっかりと追及して行きます。

ある一定の周波数にのみ共鳴するように歪みが発生しますので、どうもスピーカーが原因の様に思います。

しかし、当初はこんな歪みが出ている事は確認していませんでしたので、本当にスピーカーなのかどうか、ラインを追って行きました。

もし、スピーカーが原因と言う事になると、ちょっと厄介だなと思いながら、スピーカーをチェックしました。

しかし、この状態では確認出来ないので、スピーカーを外して確認する事にしました。

その為、スピーカーとアンプを繋いでいる延長コードを手繰り寄せた所、なんとこのコネクターが悪さをしていたようでした。

コネクターを確認した所、接触不良が有り、それが歪みの原因となっていたようです。

ちょっとホットしました。

いずれにせよ、内部の動作を確認する為、背面のスピーカーを外してみました。

特に、ペダル周辺は稼働部分が多く、クッションパッドが接着不良を起こす事が多いので、チェックしてみました。

するとペダルの取り付け部の天秤ロッドが抜けかけていました。

このままだと、片側が抜けてペダルの動作不良を起こす可能性が有るので、ロッドを正常な位置に戻しました。

また、ペダルクッションも接着剥がれを起こしていたので、再接着します。

ペダルの付き上げ棒下のクッションも接着剥がれを起こしていたので、こちらも再接着しました。

この後、無水エタノールとCAIG D100L-2DB DeoxIT Contact Restorerを使って、

アンプの接点の洗浄と調整を行います。

スピーカーケーブル等は経年劣化していますが、交換しなければならない程ではないので、そのまま使います。

ただ、接点と言う接点は、全てCAIG D100Lを塗布して、接点の不良が起きないようにしました。

そして、いよいよアンプをセット!やっと、ここまで来たかと言った、何とも言えない充実感にしばし浸ります。

5ピンケーブルも電源コードも新品を取り寄せました。

さあ、いよいよアンプとキーボードをセットして、音出しします。

ヤッター!少々調整しなければならない所は有りますが、当初の問題はほぼクリヤーしています。

今日から明日まで、24時間通電して、電気回路系統の状況を確認します。

作業の合間を縫って、鍵盤のあがきを調整します。

白鍵は殆ど問題の無い状態でした。

黒鍵も何とかクリヤーしていました。

24時間通電のエイジングも無事に終わりました。

電気回路関係は問題無く動作していました。

次に、プリアンプの調整、メンテナンスに移ります。

ボリューム、スライドボリューム共抵抗が有って硬かったのでDeoxit D5で接点の調整をします。

基板が上側になるようにして、Deoxit D5を少量ずつスプレーしてボリュームを動かして行きます。

接点復活剤が基板に浸透すると、動作不良を起こす事があるので、プリアンプの上下を逆にして、

少しずつ塗布してボリュームの抵抗を確かめながら、何回か同じ作業を繰り返します。

かなり、スムーズになって来たので、後は暫くこのままにしておきます。

2時間程置いて、本体に接続して音出しをしてみました。

鍵盤毎のバラつきは有りましたが、プリアンプ自体の動作には問題無いようです。

ただ、低音部の3音に音割れが出ていたので、スピーカーのへたりが原因かどうか確認の為

在庫の別のアンプに繋いでみた所、同じ状態の発音でしたので、

これはトーンジェネレーターのポジションミスの様です。

ピックアップの位置をずらして、音色の変化を確認した所、歪みも無く正常に発音しました。

他にも音量バランスのバラつきが有り、一様に修正しました。

次にトーンジェネレーターのポジションチェックで、音色、音量バランスを整えて行きます。

この作業を何回かに分けて、鍵盤タッチから音色、音量のバランスにバラツキが無いように調整して行きます。

いよいよ、全体の作業の80%位まで来ました。

2023.03.27 これまで、おおよその音色や音量レベルを合わせましたが、これからはもっと細かい作業に入ります。

鍵盤楽器の弾きやすさは、タッチの感触と発音する音量、音質がどれ位自分のイメージと合致するかがポイントになります。

小さく弾いたのに、大きな音が出たり、逆にピアノッシモの音が出ないとか、

大きく弾いたのに思い通りの音量が出ないと、演奏者にとっては大変なストレスになります。

そこで、ピアノッシモで弾いた時にしっかりと発音するように調整します。

その為、先ずはピアノッシモで弾いた時に音が出にくいKEYにマスキングテープを貼っておきます。

Rhodes pianoのアクション機構はアコースティックピアノの様に、繊細な調整が出来る訳では有りませんので

タインの上下位置、ピックアップとの距離で調整して行きます。

また、トーンジェネレーターはグロメットと2本のビスで取り付けて有りますが、

割と温度変化や本体のショック等で位置がずれるてしまいます。

その為、トーンジェネレーターのクリアースペースの確保も重要になって来ます。

そんな事を考えながら作業して行くと、あっという間に午前中が終わってしまいました。

午後から再度ハープの調整作業を行いましたが、途中ストーブをつけて部屋を暖めた所

調整した箇所の音色に変化が出て、再調整する運びとなりました。

やはり、メンテナンス作業は温度や湿度等の環境によって変化が起こるので

数回同じ作業を繰り返す必要が有ります。

一発で治まってくれれば良いのですが、なかなか思い通りには行きません。

同時にピッチを測ってみた所、A=442Hzでしたので、このピッチで揃えて行こうと思いましたが・・・

暖房をつけて1時間程置いていたら、あらまあ、ピッチが1HZ下がりました。

全体的に少しバラつきがあるのですが、違和感を感じるほどでは有りませんでしたので、この辺りで合わせて行きましょうかね。

最終調整に入って、各鍵盤の音色、音量、タッチ感をチェックしながら音出しをしてみました。

1日置いておくと、幾つかの鍵盤で不揃いが発生していました。

特に、高音側のHarp Bracketの両隣のトーンジェネレーターの調整に神経を使いました。

この場所はトーンジェネレーターがHarp Bracketに干渉し易く、音色を調整しようとすると接触して異音を発生します。

音色をもう少ししっかりとさせたいと調整すると、Harp Bracketと干渉してこんな異音が出てしまいます。

ある程度音色を犠牲にして、塩梅の良いポジションを探って調整しました。

良くトーンジェネレーターとHarp Bracketの隙間にクッション材を差し込んで対策しているモデルを見ますが、

出来れば、そのままの状態で使用したいと思います。

ハープの固定ビスを止めて、トップカバーを取り付けていよいよ完成間近です。

この状態で1日置いて、不具合が発生しないか確認します。

問題が無ければ、明日以降で梱包して発送の準備に入ります。

2023.03.30 最終動作確認も問題無しで、いよいよ発送に向けて梱包作業に移ります。

福岡県までの遠方に送るので、クッション材も多めに入れて、万全の梱包としました。

後は、明日運送会社の営業所に持ち込んで発送となります。

お預かりしてから、約1か月半でしたが、当初の予定より早く仕上げられて良かったです。

2023.03.31 Rhodes pianoの修理を終え、運輸会社の営業所に品物を持込みました。

無事に修理を終えてホッとした感覚と、どこか娘を嫁に出すような一抹の寂しさの相混じった

不思議な感覚をいつも味わいます。

無事にお客様の元に届けられます事を願っています。

2023.04.06無事にお客様の手元に届きました。

お客様から喜びの声と共にセッティングした後の画像を送って頂きました。

私達にとっても大変嬉しい瞬間です。一生懸命メンテナンスした甲斐が有りました。

有難うございました。

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