Rhodes Piano Suitcase Mark Ⅱ Maintenance 2024.02.10

ローズピアノスーツケースマークⅡ修理 2024.02.10

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ピアノ職人・VIRA JAPAN 
(有)ラッキーパイン

2024.01.12東京都品川区のお客様よりRhodes Pianoの修理依頼を頂き引き取りにお伺いしました。実はこの前にお電話で修理依頼の問い合わせを頂いた時、住所が私の生まれた実家近くでしたので、色々とお話しをするうちに、なんと私の中学校の大先輩である事が分かりました。年齢は4歳違うので同じ時に中学校が一緒と言う訳では有りませんでした、とにかく懐かしい限りで色々と話し込んでしまいました。

楽器が置いて有ったのは畳屋さんのお店で、その時に名刺代わりと言って、小さな畳の敷物頂きました。大切に使わせて頂きます。

そんな訳で、お引き取りしたRhodesの動作確認を行って見ましたが、特に問題は有りません。お客様のお話しですと、音が出なくなる時があると言う事でしたので、時間を置いて何回か動作確認を行って行きます。

2024.03.17時間が空いてしましましたが、これまで何回か音出しをしても問題が出て来なかったのですが、今日スイッチONにしてみたら、音が割れてディストーションがかかったような音になっていました。やっと症状が出てくれました。

そこでまず、ケーブル類の接触点検とプリアンプ関係からチェックをして行く事にします。

意外と見落としがちになるのが、ACCESRY1のスイッチです。ここの接点が接触不良を起こすとノイズや音が出ない症状が発生します。先ずは接点磨きと接点復活剤の塗布をおこないました。

続いてVolumeの洗浄とCaigの塗布で接点の接触を良くします。

続いて、BASSとTREBLEのスライダーも洗浄と接点復活剤の塗布を行います。

最後にVIBRATOのINSENSITYも洗浄と接点復活剤の塗布を行いました。ここもVIBRATOをONにした時に、音が出ない症状を起こす事があるので、要注意です。

プリアンプを取り付けて動作をチェックしましたが、まだノイズが出ています。すると次はアンプからスピーカーまでのチェックとなります。ちなみにVIBRATOをかけて見ると、片チャンネルだけ音が歪んでいます。

アンプを外す時、ビスが太いステンレスビスに交換されており、一部ネジ山をなめていたようで取り外すのに一苦労しました。このビスは交換しておいた方が良いようです。

さて、中を見て見ると基盤が一枚交換されています。モデルからすると上のグリーンの基盤が交換されたものだと思われます。それぞれの基盤のコード類を手繰って行くと、上のグリーンの基盤のコネクターを抑え込むとノイズが出たり出なかったりします。

そこで自社の在庫パーツの基盤と交換してみると、ノイズは消えました。このまま修理完了にしたい所ですが、パーツ交換となると部品代が嵩むので、基板を修理して行く事にしました。少々時間はかかりましたが、原因究明と対策を施して解決出来ました。やはりそこは中学校の先輩なので頑張りました。

VIBRATOをONにして音を出しても、ノイズは無く綺麗な音が出ています。良かった、良かった。

2024.03.19本体のクリーニングとコーナー金具、グライド等の金属パーツの交換、磨き込みを行いました。

鍵盤も綺麗に見えましたが、かなり汚れが付着しているので、こちらもクリーニングします。

1鍵ずつ取り外して見ると、キートップだけでなく、木場も汚れが付着しています。

全ての鍵盤を綺麗にクリーニングしました。

2024.03.20全てのパーツを取り付けていざ音出し、問題無く綺麗に鳴ってくれています。

2024.03.22無事にオーナーさんの元にお戻し出来ました。それにしてもこちらの畳屋さん、創業が安永7年(1779年)という事ですから、歴史を感じる佇まいの中にRhodes Pianoが有るのも、風流で良いものです。

おしまい

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