Rhodes Piano Suitcase Model Amplifier Noise Repair 2024.07.16

ローズピアノ スーツケースモデル アンプの雑音修理 2024.07.16

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ピアノ職人・VIRA JAPAN 
(有)ラッキーパイン

2024.07.06に都内のお客様宅よりお引取りしました、Rhodes Pianoの初期モデルです。症状は電源を入れると、ブーとノイズが出て全く機能しない症状です。先ずは裏のスピーカーパネルを外して中を覗いてみました。中の状態は割と綺麗に保たれていました。

アンプユニットを外すには、配線を外してから両サイドのビスを取らなくてはなりません。手前側のビスは問題無く外せますが、奥側(前面スピーカー側)のビスを外す為にはスピーカーが邪魔になり手が入りません。

その為、前面のスピーカーネットを取り外してから、スピーカー1発を外して作業を行わなければなりません。

これでやっとアンプユニットを取り外す事が出来ました。

さて、これから不良パーツの捜索になりますが、先ずパーツが入手出来るかどうか国内外に検索をかけなければなりません。出来ればアンプユニット自体を交換出来れば良いのですが、それは多分難しいでしょう。

今回の症状から推測して、コンデンサー不良と考えますが、ちょっと時間がかかりそうです。

2024.08.20発注していた「4 ピン Rhodes スーツケース電源再構築キット」が届いたので、先ずはインストールマニュアルを全て翻訳して、取り付け方法を事前確認しました。この作業がとにかく時間がかかりますが、ここで慌てて勢いで進んでしまうとロクな事はないので、じっくりと時間を取ります。

そしてマニュアル通りに電源ユニットの取り外しを行って行きます。

インストールマニュアルの一番最初は、コンデンサーの放電がしっかりと出来ているかの確認です。コンデンサーに電荷が有ると事故の原因にもなるので、気を付けなくてはなりません。

その上で、配線関係やコネクター類の位置等、画像に残しておきます。

作業的には結構難易度の高い作業になるので、一つ一つの作業を確認しながら進めて行く事になります。

かなりのパーツ類を外して交換するので、慌てて進めてもダメですが、途中間が空きすぎると忘れてしまうので、毎日少しずつ作業を継続して行く必要が有ります。

50年以上前に製造されたモノですので、二次災害の発生の危険性も有ります。

最初の難関はシャーシからMolexソケットコネクターを取り外す作業です。

このコネクターは製造中止になっているので、取り外しの作業は慎重に行う様にインストールマニュアルにも記載されています。言われた通り、非常に困難な作業でした。

このMolexソケットコネクターは新たな基盤に取り付けて再利用すると言う事ですので、今日の作業はここまでにして、取り外し作業は次回にします。

2024.08.22かなり難航しましたが、無事にMolexソケットコネクターの取り外しを終えました。

次に基盤に取り付けてあるワイヤーを全て切り離します。念のため、配線の順番を変えないようにマスキングテープで順番を固定しました。

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: IMG_1548-768x1024.jpeg

インストールマニュアル通りに、一つ一つ間違いなく作業を進める事を意識して進めます。

マニュアル通りトランジスターの取り外しも行いました。

次にコンデンサーの取り外します。

もう一つのコンデンサーも取り外しました。

結局全てのパーツを取り外しました。取り外したパーツの中に幾つか新しい基盤に取り付けて使用する物があるので、インストールマニュアルは順番に説明していたのでしょう。これからこのシャーシの改造と新しいパーツの取り付け作業に入って行きます。

2024.08.23いよいよ新しいパーツ類の取り付けに入りました。当初4-PIN Dinコネクターをシャーシに取り付けるのにM3×8㎜の機械ネジとナットを使用しましたが、後になってネジの頭がシャーシに干渉したため、改めてリベットでとめなおしました。。

試行錯誤しながらの作業でしたが、何とかここまでは迷う事無くやって来れました。過去に取り付けたいろいろなパーツのインストールマニュアルには、実物とかけ離れているものも有り、難儀した経験も有ります。

その点、このパーツ類とマニュアルが分かりやすく記載されていたので、割と順調に来れました。

ただ、気を許すととんだミスを犯すので、もう一度気を引き締めて作業に当たります。

配線関係、基板へのハンダ付け、コード類の取り回しも気にかけて行きます。

ラインの色分けと接続位置の確認もしっかりと行い、ハンダ付けして行きます。

これで大方のインストール作業は完了しました。

本体への取り付け作業も完了です。

これで一件落着かと思ったら、シャーシに穴を開ける作業が残っていました。実寸大の型紙に合わせて3/8インチ、約9.5mmの穴をあけました。一気にはいかないので、数種類のドリルビットを使って、次第に大きな穴をあけて行きました。

穴を開けた背面パネルを取り付けて、本日の作業は完了です。

2024.08.24電源を入れてみました。無事にパイロットランプが点灯して問題無く動作しているようです。

4-PIN Dinの1,4端子で25VDCが出力している事も確認しました。

背面のMolexソケットコネクターの電圧も測定しましたが、電圧がインストールマニュアルと若干違う為、再度確認する事にします。

2024.08.27台風10号が日本列島を直撃する天気予報が流れていますが、どうも九州地方に流れているようです。ただ時折激しい豪雨が降って来る空模様です。そんな中、4 ピン Rhodes スーツケース電源再構築キットのインストールが完了しました。まだ試験取り付けの状態ですが、電源を入れて音出しをしてみたら、綺麗に鳴ってくれました。

測定電圧も規定値内で問題無しでした。この後暫くエイジングで電源を入れた状態で様子を見ます。

暫く通電していましたが、特に問題はありませんでしたので、アンプの本取り付けをします。

鍵盤もセットして全体のチェックをして行くと、プリアンプからのケーブルを引っ張ると音が消えるトラブルが起こりました。これはケーブルのハンダ不良か内部の断線の可能性が有りますので、ケーブルの接合部をカットして新たに配線し直しました。

ハープのRCA端子とプリアンプを繋ぐケーブルが少し短くなりますが、接触不良を回避する為に修理しておきました。

そして、再度エイジングで通電して様子を見ます。

約1時間のエイジングでも問題は有りませんでした。これで無事に修理完了となります。

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