Rhodes Piano Suitcase73Key Keyboard Repair 2024.05.27

ローズピアノ スーツケース73鍵モデル 鍵盤修理2024.05.27

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ピアノ職人・VIRA JAPAN 
(有)ラッキーパイン

2024.05.27楽器店よりの依頼でお客様宅に伺いました。症状は鍵盤が戻らないとの事でした。伺ってみると確かに高音部のCの鍵盤が戻って来ません。よく見るとハープを固定する為のビスが欠品しており、ハープの位置がズレていたようです。取りあえずハープの位置調整とトーンジェネレーターの調整で一件落着かと思いました。ところが音出しチェックをしてみると、何か違和感があります。よくよく調べてみると、片チャンネルの音が出ていません。改めてお預かり修理と言う事になりました。

2024.08.28お客様のご都合に合わせて楽器を引き取りさせて頂き、いよいよ修理開始しました。先ず片チャンネル音が出ていない原因の究明です。初めはプリアンプから追って行って、続いて4PINケーブル、アンプ側のコネクターと見て行くと、どうもアンプが怪しいです。

アンプとなるとちょっと面倒な作業になりそうです。

スピーカー端子を左右逆に繋ぎ変えてみると、今までとは逆のチャンネルの音が出なくなります。そうするとアンプのどこかの故障と言う事になります。このアンプの取り外しは中々厄介で、フロントのスピーカーも外さないと取り外しが出来ません。改めて、本体の解体作業となります。

2024.08.29アンプを外す為には、フロントのスピーカーも邪魔になるので取り外しますが、その前にフロントのスピーカーネットを外さなくてはなりません。このネットのパネルは割れやすいので、外す時は少しずつ時間をかけて慎重にやらなければなりません。

ここで配線のつなぎ方が復元できるようにマスキングテープ等で印を付けておきます。

フロントのスピーカーを取り外して、いよいよアンプの取り外しです。

アンプは重くてそのまま外そうとすると事故やトラブルの原因となりますので、本体を寝かせて作業します。この時アンプの電源コンセントや他の部品がパネルの面よりも出っ張っているので、本体にキズを付けないのとこれらのパーツを破損させないように緩衝材を敷いてアンプの取り外し作業をします。

これでやっとアンプの取り外しができました。これからがいよいよ本番の作業です。

いろいろ調べてみてもなかなか原因が分かりません。

もしかするとコンデンサーが飛んでる可能性が有ります。万が一コンデンサーが飛んでいたら、修理は結構面倒になります。

そこで各セクションの電圧を測定してみました。すると全てのセクションの電圧は正常値を示しています。すると一体どこが原因なのか、再度考えます。

アンプ側の4PINコネクターの接触不良が一番可能性が高いので、4PINコネクターのそれぞれの測定を行いました。コネクターの1と4は25Vの電圧がかかっていますが、こちらは規定値内でした。続く2と3はダイレクトに音声信号ですので、このラインが接触不良や断線を起こしていれば、音は出なくなるはずです。

2番のラインはRCAケーブルまで導通を測ると問題有りません。続いて3番のラインを計測すると、こちらはオープンしています。

ハンダ不良なのか、断線なのか分かりませんが、このラインのオープンが原因だったようです。ちょっとホッとしました。続きの作業は明日に持ち越しです。

2024.08.304PINコネクター部の再ハンダとワイヤーの取り回しの変更をして動作確認をしました。問題無く発音していましたので、その後エイジングで通電チェックをおこなっています。

2024.08.31エイジングをかけて通電チェックしました。この手のモデルに特有のハムノイズが若干乗っていますが、これは経年劣化とハープ部のシールド不良と思われます。

今回のオーダー内容の作業は全て完了致しました。後はお客様とお戻し日程の打合せに入ります。

2024.09.12当日お客様宅へ伺いましたが、連絡がつかず、改めて09.15にお戻し致しました。

終わり

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