VINTAGE VIBE Damaged hammer flange replacement 2024.10.25

ヴィンテージ ヴァイブ ハンマーフレンジ破損交換修理 2024.10.25

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ピアノ職人・VIRA JAPAN 
(有)ラッキーパイン

2024.09.15都内から修理でお預かりした、VINTAGE VIBE Electric Pianoです。ハンマーが破損して幾つかの鍵盤が動作しません。

中を覗いて見ると、既にいくつかのハンマーが交換されたおり、それとは別に既存のハンマーにマジックで✖印が付いているものも有りました。

2024.10.25 当初、破損して落下しているハンマーは7本でした。しかし、実際に全てのハンマーをチェックした所、11個に不具合が発生していました。ハンマーが落下していなくても、取り付け部のフレンジにヒビが入っていました。

その殆どがハンマーを固定する為のフレンジと言う部品の破損です。中には以前修理した部品も有りましたが、それも再び破損していました。実際に一つ一つ動きを見ながら、動きに揺れやガタツキがあるものは怪しいので外してチェックしました。

11個のハンマーを交換するとなると、古いRhodes Pianoの部品を外して入れ替えるのですが、パーツのカラーや素材が違うのでそのままハンマーを交換すると何とも色合いがバラバラになって、見た目が良くありません。本来ならアッセンブリー交換した方が手間はかかりませんが、やはりここは見た目も考えて、古いハンマーからフレンジだけを取り外して、現品のハンマーに取り付ける事にしました。

こうする事で、ハンマー自体は変わらないので見た目も違和感が無くスマートです。しかし、古い方のハンマーから外す時にフレンジが硬化しているとが割れてしまいますので、ドライヤーで温めてから外すと言う手間をかけます。また新しいハンマーに取り付ける時も、パーツを破損しない様に時間をかけて作業しました。フレンジも含めて昔の楽器のパーツは頑丈に作られているので、今後不具合が発生する事も少ないでしょう。

今回交換したのは、NO1 E・NO11 D・NO14 F・NO15 F#・NO19 A#・NO22 C#・NO32 B・NO34 C#・NO37 E・NO45 C・NO64 Gの11個でした。

またNO19 A#は鍵盤スティックもしていたので、キープライヤーを使ってブッシングクロスをコロシておきました。これで全音が発音しましたので、後はハープ調整と音色調整をしておきます。その後マスキングテープを剥がしてセッティングします。

本体のセッティングをする前に、鍵盤の汚れ落としをしようと、クロスで鍵盤を強く拭き取っていたら、なんとNO6 Aのハンマーが壊れました。こちらもフレンジにヒビが入っていたようで、鍵盤を強く押しながら拭き取っていたので、その圧で破損したようです。再度全てのパーツを取り外して、もう一度フレンジの交換をしました。

結局12個のフレンジの交換となりました。今のうちに不良箇所が発見出来たほうが良いので、念入りに鍵盤タッチ動作を行いました。鍵盤をお掃除する時も、何回も強く押したりたたいたりしてみました。特にトラブルも起きませんでしたので、これで何とかハンマー関連の部品は大丈夫そうです。

音出しチェックはトレモロの確認も有るので、左右別々のシールドで2台のアンプを使ってチェックしました。音色に問題が有るKEYが有りましたので、こちらも調整しておきました。

最後にこれで完了と思ったら、高音部の鍵盤が戻って来ません。何が原因なのかと探ってみた所、ブルーの本体カバーの手前部分が鍵盤側に寄っていて、白鍵の木口部分がカバーに当たっていました。

ブルーのカバーを固定するビスが欠品している為この様なトラブルが発生したようです。このビスは特殊なピッチなので、手に入るかどうか、これから探してみます。

2024.10.26ペダルを取り付けて、ダンパーの動作チェックも終わりました。本体カバーを止めるビスは、M4✖50のビスを加工して取り付けました。これで本来の動作を取り戻す事が出来、お客様の元へお戻し致しました。

本体カバーを止めるビスはインチネジUNC#6‐32×2で止められます。

終わり

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