ウーリッツアーピアノ 200 ノイズ対策 2023.11.19
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ピアノ職人・VIRA JAPAN
(有)ラッキーパイン
2023.11.19こちらのWurlitzer200は2023.08.26にRhodes Piano、MELLOTRON M400と一緒に修理の為に引き取りさせて頂いたものです。
他の楽器の修理が立て込んでいた為に、なかなか手が付けられないでいましたが、今回チェック用のオシロスコープも用意出来たので状態のチェックを行う事にしました。
フタを外して内部を見た時に先ず目に飛び込んで来たのは右側のスピーカーのエッジについたゲル状の物質です。多分これはスピーカーのエッジが劣化したために、ビリ付きを抑える為にゴム質のシーラーを使って補修したものでは無いかと思われます。まあ、このスピーカーは音質を求める物でもないのでこれでも良しと言う事でしょうか。
とにかくスイッチONにして、ノイズの発生状況を確認しました。ウーリッツアーピアノ特有のノイズが乗っています。
今回はノイズの発生原因の特定の為に、オシロスコープを使う事にしました。
色々とパーツを追って行く中で、先ず疑われたのが、電源用のコンデンサーでした。こちらは交換されていますが、この手のパーツはMADE IN CHINAが多く、部品としての信頼性に問題が有る事が多く、パーツの交換には慎重を期さなければなりません。
また、もう一つこちらのコンデンサーもオシロスコープではノイズが乗っていましたので、先ずはこれらのコンデンサーの交換作業が必要と思われます。ただ、信頼性の有るコンデンサー等の部品は入手に手間と時間がかかるので、これからパーツの検索となります。
ただ、コンデンサーは交換してあったので、もしかすると別の原因が有るのでは無いかと思い動作チェックをして行きました。すると音源からのケーブルを抜くとノイズが止まります。と言う事はアンプでは無くトーンジェネレーターに原因があるようです。少々厄介になりますが、何か対策部品が無いか検索してみます。
2024.02.03調べて行く内にアメリカのサイトで「ウーリッツアーリードバーシールド」なる部品が販売されていましたので、取り寄せる事にしました。
2024.03.15オーダーしたパーツは入荷していましたが、作業が出来る日程が今日になってしまいました。
2024.03.15このパーツを取り付ける前に、本体のリード周りの金属パーツを洗浄します。
ダンパー外す為にパーツを外して見ると、金属パーツにサビが出ていました。サビ落としとシリコン剤を塗布して、サビが進行がしないように対策をしました。こちらのゴム製グロメットも少々傷みが出ていましたが、使用できる範囲でしたのでそのまま使います。
リードとの隙間が非常に狭いので、ホコリなどが付着するとノイズの原因になったりします。
取り外してアルコール系のクリーナーを使って綺麗にしました。
先ずは低音部側のリードバーシールドを取り付けて行きます。取り付け位置の調整とビスの締め付けトルクに気を付けてしっかりと取り付けして行きます。
取付完了したら、念の為鍵盤を動作して、ビリ付きやノイズの発生が無いか確認します。
その後低音部側も同様に取り付けして行きます。この時に各セクションのビスを全て増し締めして緩みが無いようにします。この作業が意外に大事で、ビス1本の緩みがノイズの原因になる事もあるので、忘れてはならない作業です。
リードバーシールドを取り付け終わったら、今度はダンパーパーツを元通りに取り付けます。狭いすき間からビスをとめなくてはならない作業ですので、周りの部品を引っかけたりしないように、気を付けて作業を行います。
ダンパーロッドのグロメットを取り付けて作業は完了となります。この後ハムシールドのカバーを取り付けてセットします。
音出しをしてみましたが、ノイズはかなり軽減されています。これから暫くエイジングで様子を見ます。
続く