ヤマハ CP70 修理 2024.10.02
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ピアノ職人・VIRA JAPAN
(有)ラッキーパイン

2024.12.24都内のお客様からのご依頼で、修理でお預かりしたCP70ですが、外装も電気系統やアクション等、かなり傷みが激しかったので、当社の在庫品を修理してお渡しする事になりました。

お預りした方のモデルはヘンマーが折れて欠損していました。

口棒も何かにぶつかって、拉げていました。

鍵盤も多数割れたり、欠けたりしていました。

そこで、在庫品との入れ替えとなったのですが、他の修理が立て込んでいた事と、修理のためにセッティングするスペースが取れなかった為、修理開始が遅くなりました。

一応、電源を入れて発音確認しましたが、在庫の個体もメンテナンスが必要で、最終的にはニコイチで仕上げていく方向で進めて参ります。

2025.01.10本体の調整作業を開始しました。鍵盤はブッシングクロスの減りが少なかったので、お預かりした方の個体から移設しました。整調作業が必要になって来ますが、この方が労力と時間が少なくて済みます。

経年劣化による動作抵抗を少なくする為、ダンパーロッドのサビも落として、磨き込みました。

ダンパーキャプスタンも動きの渋いものがあったので、分解調整しました。

これでスムーズに動きます。

この後バランスピン、フロントピンの研磨と鍵盤バフ研磨、鍵盤調整を行います。

先ずは鍵盤調整から始めました。鍵盤はバフ研磨して綺麗にします。

スプーンも磨いて綺麗にします。この作業でタッチの感覚に違いが出ます。

木口調整も行い、鍵盤の下処理が終わりました。今日は一日この作業を行いました。

2015.01.16今日はバランスピン、フロントピンの磨き込みと鍵盤調整を行いました。

バランスピンもフロントピンも、根元にサビが出やすいので、パンチングを外して磨いて行きます。

フロントピンはサビが気になったので、コンパウンドを使って磨き込んだ後、拭き取りとプロテックプルルーブを塗布しておきました。地道な作業ですがとても大切な作業です。

ピンの磨き込みが終わった後は、鍵盤ブッシングの調整と穴コロシの作業を行いました。

この作業も目には見えない所の作業ですが、鍵盤の動きに大きく影響します。

その後アクションをセットしてみると、ハンマーの位置がバラバラです。

こちらも整調作業を行っておきました。

一日かけて、鍵盤の調整とアクションの調整を行いました。

2025.01.21時間が取れたので、ストリングの調整とチェックを行いました。先ずはピッチの確認を兼ねて、下調律を行いました。この時に、打弦時のノイズやビリ付き等をチェックします。今回中音部のCとD当たりでビリ付きが発生していました。アンプに繋いでいないのにビリ付く時は、本体のどこかのビスの緩みやパーツの取り付け不良等が有ります。今回はストリング部のカバーのビスの緩みが有りましたので、増し締めして対応しました。また、特にピッチの下がったKEYがある場合は、チューニングピンのトルク不足の場合が有る為、こちらも確認しておきました。

その後、電源を入れてアンプから音を出してみました。ボリュームにガリが発生していますが、BASS,MIDLE,TREBLEは機能しています。しかしTREMOLOが動作していません。かすかに効いている様にも感じますが、こちらは要修理です。

2025.01.30プリアンプのボリュームポッドへ接点復活剤の塗布を行いました。1回では回復しないので、何回かに分けて作業しました。取りあえずガリは解消し、TREMOLOも復活しました。

2025.02.01プリアンプのパネル回りのクリーニングを行い、本体にセットしました。問題無く動作しています。

全体の動作確認も含めて、調律を行いました。これから暫くエイジングをかけて様子を見ます。

2025.02.03アクションの調整他、各部の微調整を行いました。幾つかの鍵盤で調整不足が有りましたが、全て規定値内に納めました。

今後は外装のパーツのクリーニングや動作確認を行って行きます。

2025.02.04本体のクリーニングとトーレックスの破れ補修、及び各パーツのクリーニングと補修を行いました。

パーツ類はトーレックス表面の汚れを落としてから本体に取り付けます。

本体も鍵盤おさえのパーツを取り付けて、いよいよ最終調整に入ります。

ペダルも取り付けて、ダンパーの動作確認も行い、問題有りませんでした。

全てのパーツを取り付けて、発音と動作確認、ビリ付きやノイズの発生の確認も行い、問題有りませんでした。しかし、Vintage楽器は製造からの年数がかなり経っていますので、何が起こるか分からない不安が有ります。この状態で暫く様子を見ます。

2025.02.07最終動作確認の上、問題有りませんでしたので、本体をばらして蓋をして発送準備をしました。脚やクロスバー等の金属パーツは取り外した後、サビ落としをして、バフ掛けの上、磨き込みをして仕上げました。後は納品を待つのみとなります。
続く