YAMAHA CP80 SOLD ヤマハ CP80 売約済み2025.09.28

ヤマハ CP80 売約済み 2025.09.28

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ピアノ職人・VIRA JAPAN 
(有)ラッキーパイン

2025.09.28滋賀県のお客様より、CP80ご購入の御依頼を頂きました。当社在庫は3台有りますが、1台は状態が良く無いので、部品取り用としての在庫でした。取り合えず2台を出して、程度の良い方を調整して行きます。

2025.09.302台のCP80をセッティングして音出し確認を行いました。すると手前の個体はトレモロがかかりません。奥の1台は全ての機能が問題無く動作していましたので、こちらの個体を調整して行きます。

午後から内部のチェックに入りました。先ず鍵盤を見ると、下がっている鍵盤が有ります。色々な原因が考えられますが、一番多いのはバランスパンチングの虫食いです。酷暑の夏でしたので、倉庫にしまって置いた楽器はどうしても虫食いが出ます。被害が広がっていなければ良いのですが・・・

先ずはアクションとハンマーの状態を確認しました。ハンマーはゴム部分が加水分解している時が有るので、一つ一つ確認しました。

ハンマーは全て問題無かったので、アクション関連のパーツのチェックをしました。こちらも問題は無いです。

続いて、鍵盤をはくって中の様子を見ると、やはりバランスパンチングが虫食いでやられていました。

鍵盤側はどうか見てみましたが、バランスブッシングに被害は無いようでほっとしました。

フロントブッシングも被害は免れたようで、全ての鍵盤をチェックしましたが大丈夫でした。

バランスパンチングは全て交換となるので、鍵盤整調から鍵盤ならし、カラはり調整までの整調作業が必要となって来ます。

2025.10.02午前中いっぱいかけて、鍵盤のバフ掛けとブッシングのチェック、クリーニングを行いました。

作業工程は鍵盤一つ一つをバフを掛けながら、白鍵のチリの裏側や木場の汚れを落として行きます。この時にブッシングの状態を確認して、最後にダンパースプーンのバフ掛けをします。CPでこの作業をしている所は、ウチ以外に見たことが有りません。

鍵盤の小口もバフ掛けで汚れを落として行きます。

その楽器の使用状況や頻度、部品の消耗度合いを見るのにこの作業はうってつけです。大体の使用頻度は鍵盤の状態を見ると分かります。

最後にバランスホール、フロントホールにコンプレッサーで圧縮空気を送って、虫やごみを飛ばします。

本体のメンテナンスを行う為に、ばらせる所は部品を取り外して、作業し易いように準備します。

午後からは内部の修理、調整を行いました。先ずはダンパーの天秤、こちらはペダルを踏んだ時にダンパーを動作させる為の物ですが、古くなってくるとキーッ、キーッと言ったノイズが発生しやすくなります。怪しい箇所にタルクスプレーをさしておきます。

ダンパーレールもサビ落としをして抵抗を少なくしておきます。

経年による狂いや細部の調整を行って、一通りの下処理作業は完了しました。

2025.10.03午前中いっぱいかけて、バランスピン磨きとパンチングの交換を行いました。

この作業は地味で時間のかかる作業ですが、将来の鍵盤の動作に大きな影響を及ぼしますので、しっかりと行っておきました。磨く前のピンと磨いた後のピンでは輝きが違います。しかしそれ以上に指で触った時の抵抗が全く違ってきます。

何とか昼前までに全てのバランスピンの調整を終えました。

2025.10.06アクションパーツの取り付け前に、動きのチェックをしました。するとこの部品(通常のグランドピアノには無いパーツ)の幾つかの動きが渋く、抵抗にバラつきが有ります。

そこで、パーツを分解して、一つ一つ手作業でワイヤーを磨いておきました。本体に取り付けてみると、スコン!スコン!と音が聞こえるような、スムーズな動きになりました。

その後、鍵盤をセットしてアクションを取り付けてみました。

鍵盤は高さにバラつきが有るので、ならしの作業を行って行きます。また、アクションの調整も必要ですので、今週中に作業を行って行く予定です。

2025.10.13鍵盤ならしの作業を行い、鍵盤の上面がピッタリと揃いました。

黒鍵も同様にならし作業を行いました。

この後、カラ張りの調整を行い、ハンマーの位置を揃えました。これで鍵盤とアクションの基本作業は完了です。

今後、プリアンプの調整、調律と進めて参ります。

2025.10.14今日は朝からプリアンプの調整作業を行いました。特にトラブルは有りませんでしたが、接触不良とガリが出ていたのでCaigの原液を浸透させてそれぞれの症状を改善させました。

その後、上面の屋根を全て取り外して、内部の状態確認とクリーニングを行いました。低音弦の一部にサビが出ていたので、こちらはスチールウールと真鍮ブラシを使ってサビを落とし、その後コンプレッサーでホコリを払っておきました。

午後からは調律を行いました。暫く使っていなかったようで、かなり音程が下がっていましたので、下調律を行ってから暫くしてから後日、出荷調律を行います。

2025.10.16脚とクロスバー、ペダルロッドの磨き込みを行いました。サビ落としとバフ研磨でかなり綺麗な状態になります。

全てのパーツを取り付けて、最終調整に入ります。ビリ付きやノイズ等が無いことをチェックしました。

見落としがちなペダルの動作とノイズのチェックも行いました。特にダンパーペダルはキュッ!キュッ!と音が出る事が有るので、ペダルの調整は必ず必要な作業です。今回は問題無く動作してくれました。

2025.10.17最終調律を終えて、全ての作業が完了しました。あとは10月27日に納品に伺います。

続く

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