Hohner Clavinet D6 Maintenance ホーナー クラビネット D6 修理2026.02.15

ホーナー クラビネット D6 修理 2026.02.15

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ピアノ職人・VIRA JAPAN 
(有)ラッキーパイン

2026.01.31以前当社にてご購入下さったお客様より、修理のご依頼を頂きましたので、お持ち込み頂きました。症状は打鍵後に音が残ると言う内容でした。

こちらのモデルの紹介記事はこちらになります。

以前別のお客様より同様の症状でお預かりしたことが有りましたが、その時は原因が分からず修理不可でお戻ししました。その時の記事はこちらです。

2026.02.16先ず中の状況を確認するために、鍵盤ユニットやパーツ類を取り外してみました。以前ご依頼頂いたお客様の症状とほぼ同じでしたので、一つ一つ原因を探って潰していく事にしました。

先ずはピックアップのハウリング。エレキギター等では真空管アンプの前にギターをかざして、ハウリングを起こさせるフィードバック奏法なるものが有ります。いわゆる回路の中で信号をグルグルと回してノイズ含みの大音量を作り出す方法です。しかし、それにはアンプがピックアップのすぐそばになければなりません。加えてかなりの音量が必要になりますので、これは原因ではないようです。

次にプリアンプ回路内でのハウリングですが、これも以前ご依頼頂いたお客様の修理の時に、可能性はほぼ無しの結論が出ていました。特に今回のモデルは前のオーナーがノイズ対策の為にプリアンプを交換していますので、これも原因では無いようです。

そうなると、残るは本体の箱鳴りか物理的な要因と言う事になります。クラビネットの弦振動エネルギーはそれ程大きく無いので、一番考えられる原因は弦の止音不良と言う事になります。さあ、さあ、どうしましょう。

2026.02.18先ずは毛糸を巻き込んでミュートしている弦の下に、1.5㎜のフェルトを差し込んでみました。グランドピアノには、弦枕と言うフェルトを使って、雑音や余分な響きを無くす部品が取り付けて有ります。それを真似てセットして見たところ、やや改善したようにも聞こえるのですが、それでもやはり残響音が残っているように感じます。

そこで、幅の広いミュート用のフェルトを挟み込んでみましたが、あまり変化を感じません。それよりも、初めに挟み込んだ幅の狭いフェルトよりも残響音が残っているように聞こえます。

そうすると、開放弦に共鳴している可能性があるので、弦にフェルトを巻き付けて見ましたが、あまり効果が有りません。さて、ちょっと行き詰まってしまったようです。

2026.02.19昨日の夜はずうーっとこの止音不良の事が頭から離れず、ピアノに比べて何が違うのかを考えていました。先ず、一番違うのはダンパーが無いと言う事です。ピアノは音が響きすぎないようにダンパーで音を止めています。クラビネットの場合ダンパーが有りませんので、ピアノで言えばダンパーぺダルを踏んだ状態で弾いている事になります。それならばと、ダンパーフェルトを弦の上に乗せて試してみましたが、あまり効果が有りません。

それならばとフェルトを弦の間に編み込んでみましたが、今度はミュートがかかった状態で全く音になりません。

そこで、1.5㎜厚の幅広フェルトを弦の上に乗せて、ダンパーの働きが出るか試してみた所、止音不良が改善されました。

この幅広フェルトをどこにセットするかを考えましたが、固定する事が出来ないので鍵盤ユニット裏側の金属プレートの出っ張り部分に合わせてセットする事にしました。

これで位置出しが出来たので、片側を両面テープで本体に貼り付けました。取り付け位置はマスキングテープで印をつけておきます。

この状態で全体の音出しをしたところ、E♭の音がすっきりしません。チューニングピンを回して、弦の調整もしてみましたが、改善しません。

タンジェントの位置がずれているかチェックしましたが、こちらは問題が有りません。どうも弦の劣化が原因のようです。

もう一つ、最低音のFの音が金属音がするので、こちらも調べてみました。ダンパー用のフェルトを外してみましたが、状況は変わりません。

弦の位置を変えて音出しして見ましたが、こちらも変化がありません。

もしかして、ダンパー用フェルトが原因なのかと思い、再低音が当たる部分をカットしてみましたが、これも原因ではありませんでした。こちらも弦の劣化の可能性が有ります。ただ、当初の残響音はかなり改善されたのではないかと思います。

2026.02.28お客様が引取りにお越しくださいました。無事に機能する事を願います。

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